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novel【BL】
戦-夏の陣-(XS+BF)
今日は天気がよく、部屋中の窓を開け、そこから続くテラスへ出た。手すりに頬杖を付きそっと目を閉じる。
日差しは暑いが吹き込む風は優しく頬を撫で、サラサラと髪を靡かせ心地よい。
今日も平和だなぁなんて柄にもなく思ってしまった。
今日は任務も無い。
何をしようかと暢気に思いを巡らせていたその時、平和に過ぎ行くはずだった今日1日が脆くも崩れ去った。

バァーン!!

けたたましい音と共に部屋に入って来たのはベルとフラン。服装からして今日は2人とも休みのようだ。なんたって2人ともランニングに短パンだったからなぁ…
超直感が使えない俺でも、嫌な予感がビンビンするぜぇ…

「スクアーロおっはよ〜♪」
「おはよーございますー」
「何しにきたんだぁ?」
「見て分かんね?」

そう言って後ろ手に隠し持っていたかなり大きなウォーターガンを見せ、にぃっと笑った。

「今日は幹部の皆さん運良く休みみたいなのでー、ウォーターガンで撃ち合いでもしたいなーと思いましてー」
「そーゆーこと♪」
「俺はやんねぇぞ」
「は!?幹部全員強制参加だし」
「ボスもやるって言ったのかぁ!?」
「はいー、参加しねぇカスはかっ消すらしーですよー」「な゙っ!?」
「死にてぇの?」
「やる!」
「しししっ、じゃあコレ♪」
ポイッとウォーターガンを投げられ、着替えてそれ持って中庭集合な♪、と言って2人は部屋から出ていってしまった。

はぁ、と深い溜め息をついた。でも今かっ消されるのはごめんだぁ。まだ死にたくねぇ。

早く行かねぇと、それはそれで怒られる。そう思い黒のランニングとカーキーのカーゴパンツに着替えウォーターガンを肩に担ぎ中庭へ向かった。











「スクアーロおせぇし」
「わりぃなぁ…」

ツカツカと皆が居る所へと向かっていると、木陰には椅子にふんぞり返っているザンザスがいた。しかも肩には半端ないでかさのウォーターガンが。って、もはやバズーカじゃねぇかぁ!!あんなので撃たれたらマジで洒落んなんねぇぞぉ。
あれこれ考えていたらその視線に気づいたザンザスが此方に向かってくる。やべぇ殴られる!!とっさに歯を喰い縛り目をギュッと瞑った。
が、……あれ!?
ザンザスは俺の横を通りすぎベル達のところまで歩み寄った。

「始めるぞ、カスども」

と言い、愛用のXのエンブレムのついた銃を空高くぶっ放った。
それを合図にウォーターガンでの撃ち合いが始まった。

一方ザンザスはと言うと…
先程まで座っていた椅子にまたふんぞり返っていた。結局やらねぇのかよ!!と声には出せないが、心の中でつっこんだ。

バシャー!!

ボーっとしていたら後ろからベルに水をかけられた。

「ししっ、鮫びしょ濡れ♪」
「ゔお゙ぉぉい!!やってくれるじゃねぇかぁ、とばすぜぇ!!」

俺は水が飛び交う戦場へと脚を踏み入れた。

「おらぁー!!」
「んなのあたんねぇし」

俺が放った水は、ベルにはサラリと避けられ、後ろにいたレヴィに命中した。

「ぶっ!?スクアーロ貴様ぁー!!」
「ゔお゙っ!?」

不意打ちに腹を立てたレヴィが物凄い顔して突っ込んできた。

ズカァーン!!

「ボ、ボス……」

バタッ…

さっきまで此方に向かってきていたレヴィが、突然目の前でぶっ倒れた。

一瞬何が起きたか分からなかった。

「ハッ、カスに手ぇ出そうとした罰だ」

と楽しげに笑うザンザス。その指はバズーカの引き金を捕らえており、髪や服などが僅かに濡れていた。あぁ、アンタがコイツを…
嬉しい反面、申し訳なさを感じた。だってウォーターガンで水を掛け合うゲームで、レヴィは何もルールを破っちゃいねぇ。わりぃなぁレヴィ。



それから暫く俺たちはウォーターガンをぶっ放っしながら、気の済むまでギャーギャー騒いでいた。
いつの間にかベルが居なくなり、知らない間にそんな話をされていたとも気づかずに。



















「なぁボス」
「何だ急に」
「フランって可愛くね?」
「それならカスだって負けちゃいねぇが」
「捕んないでね?」
「ハッ、俺はカス以外に興味なんざねぇ。アイツがいれば十分だ」
「ししっ、スクアーロって愛されてんね♪」
「たりめぇだ。手ぇ出すんじゃねぇぞ?」
「あーパスパス、あんな煩いの王子無理だから。」

あっスクアーロてめぇ、フランに何してんだよ!!と言いながらベルは走って行った。

「ゔお゙ぉぉい!!どさくさに紛れてナイフ投げんじゃねぇ!!」

るせぇカスだ。
こんなカスに本気で惚れた俺はどうかしてるな。
嘲笑うかの如くフンッと鼻で笑い、カスのもとへと向かった。



















End

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あきゅろす。
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