novel【BL】
眠れない夜(BF)
「今日も任務終了ー♪」
任務を終えた俺は、風呂に入り着替え、ソファーに座りお菓子を食べながらテレビを見ている。
そこに1つの気配が近づいて来る。気配を消していないため、あぁーアイツか、とすぐに分かった。
ガチャッと音を立て扉が開いた。その扉の向こうから来るであろうアイツ目掛けて一本ナイフを投げた。
「ゲロッ!!先輩酷いですー、ミーですよミー」
「しししっ、んなこと分かってるって。俺のこと誰だと思ってんの?王子だぜ?」
「分かってて投げたんですかー?ますます酷い人ですねー」
ポイッと蛙の被り物に刺さったナイフを抜き、床に捨てた。
「捨てんなっ!」
「すみませーん、手が滑りましたー、あっ脚も」
と言いながら、俺のナイフを捨てた上に踏みつけやがった。
「てめっ」
「怒らないで下さいよー、ミーはお願いがあって来たんですからー」
「は!?王子にお願いって何を?」
「あ、あのー…」
「何だよ、さっさと言えよ」
「寝ようとしたら変な音がしてー、何だか怖くなって眠れなくなっちゃったんですー…」
そう言ったきり俯いたまま何も話そうとしないため、フランに近づき顔を覗き込みながら、一緒に寝てほしいの?と尋ねるとコクンと頷いた。
何コイツ、コクンって頷いちゃってめちゃくちゃ可愛いんだけど。耳まで真っ赤だし。
「いいぜ、王子ってばやっさしー♪」
「ありがとうございますー」
その後暫く2人並んでソファーに座りテレビを見てから、寝室へ向かった。
先にベットへ入り布団を持ち上げながら、扉の前に突っ立っているフランをおいでと手招いて呼んだ。すると、少し戸惑った後おずおずとベットに近寄りそっと布団に入って来た。
「寝るときくらいとれよ」
とフランが被っている蛙をツンッとつついた。
「怒りませんかー?」
と不安げに見上げてきたフランに怒んねぇよと言うと、そっと蛙を脱ぎサイドテーブルに乗せた。何時もは被り物であまり見えないが、フランの髪は鮮やかな緑色をしていた。掌にその髪を掬うとサラサラと零れ落ちた。
「髪サラサラだな」
「ベル先輩には負けますー」
そう言いながら俺の髪に触れてきた。そっと抱きしめその手をとり手の甲にキスを落とす。
「これでよく眠れるだろ、姫?」
「はい、いい夢が見れそうですー。ありがとですー」
恥ずかしそうに俺の胸に顔を埋め背中に腕を回してくる。
「おやすみ、俺だけの姫…」
そう耳元で囁き瞼を閉じた。
腕の中の心地よい心音と温もりを感じながら深い眠りについた。
End
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!