これはこれで悪くない(御幸)
俺の彼女はオタクだ。
朝っぱらからコスプレがどうだとか漫画の主人公がかっこいいだとか二次元に行きたいだとか
彼氏の前だというのにオタク全開の彼女。
“黙ってれば美少女”とは彼女のために作られた言葉だろう。
「もったいねーよなぁ」
「え?」
「たまには清楚な女の子らしくすればいいのに」
「…私に清楚女子像を強要するなんてヒドイことするね。ちなみにどうすればなれるの?」
「例えば…休日は友達とショッピングとか」
「…それって清楚?」
「多分」
「でも私、友達いないもん」
「作れよ」
「そんな簡単にできたら苦労しないよ。だいたいカズくんだっていないじゃん」
「いるし」
「誰」
「…………………倉持」
なんでよりによって倉持が出たのかは謎だが、まぁ、他校の彼女は倉持知らねーから別にいいか。
すっかり友達がいると信じ込んだ彼女は「裏切り者!」だとか「このイケメン!」なんて嘆く
「悪い気はしないね(笑)」
「うるさい!」
「悔しかったら友達作れって」
「いいもん!あたしにはカズくんがいるし」
「…」
「…」
「…」
「…ば、バッカルコーン!」
後から言って恥ずかしくなったのだろう、みるみる顔が赤くなる果てに壊れた彼女を不覚にも可愛いと思ってしまった、ある、晴れた午後の話。
――――――
―――
「…」
「…」
「何、これ」
「え?だって倉持が彼女ってどんな奴?って聞いてきたから、
まとめてきた」
「作文ンンン!?」
これはこれで悪くない
(俺がよくねーんだよ!)
*さりげノロケ話の御幸くん。
もっちーに「作文ンンン!?」を言わせたかった←
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