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3ss
ねこかったろ?(3)
「ねこかったろ?」
自分の気に入りの中庭は2人の目にはには好適に移らず、移動要望は特に何か名物のあるわけでもない屋上。
あらかた案内の終わった学校を見下ろすと、放課後まで熱心に残り部活に打ち込む声が遠くから聞こえる。
家業のためか特別加わりたいなんて思わず、騒々しいBGMに昔聴いた荒々しい調子が永遠続く洋楽を思い返した。
ふと、近くで発された声の主に視線を向けると、もう1人も不審そうに同じように視線を向けるのがわかった。
後頭部を見た自分とは違い、視線が交わったらしく、更に表情を曇らせた。
「ねこかったろ。クセー」
二度目の彼の言葉尻に疑問符はなく、紫煙を吐き散らかしながらニコチン摂取を続ける。
自分にはわからなかったが、少し視界をさげ地面をどことなく見る彼はどうやら図星だったらしい。
当てたことに満足し内容には興味を持つ様子ないのとは逆に、今度見に行こうと勝手に心の中で決めた。


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