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東方時空録
『第三録・外伝…企み』
 永琳は秋葉を隣部屋に残し、薄暗いこの部屋へ来た。何時も薬剤の研究をする為に使う部屋だ。中には医者が使っていそうな机と椅子があり、他には身の丈ほどの本棚と、観葉植物が置いてあった。
 机の上に置いてあるライトをつけ、薄暗い部屋に明かりを灯す。椅子に座り、何もない空間の方に体を向けた。


「……居るんでしょ? 姿を見せなさい“八雲 紫”」


「フフフ、ご名答。流石は“月の頭脳”と呼ばれるだけはあるわね」


 何もなかった空間から、八雲 紫と呼ばれる女が現れた。片手に扇子を持ち、独特な服装をしている。レミリアと同じ様な帽子を被り、ゆったりとした足取りで永琳のそばまで歩を進める。


「まずは輸血用の血液の提供、感謝するわ。……けれど、“人間の血”じゃなかったわね」


「あら、そこまでお気付きになるなんて」


「長い年月を生きれば、それくらい容易よ。で、何で“あの血”を? あの場は急を要する時だったから仕方なく使わせてもらったけど」


 永琳の質問に対し、不適な笑みを浮かべる紫。それを怪訝に思う永琳だったが、自分なりに大方の予想はついていた。


「ま、どうせ何時もの気まぐれか何かでしょうね」


「強ち間違いではないわ。けれど――」


「“拒絶反応の可能性”、かしら?」


「えぇ、そうよ。でもあの子なら大丈夫な筈よ、私には分かるわ」


「……はぁ、その確信は一体何処からくるのかしらね?」


 小さな溜息を吐き、やれやれと言った仕草を取る。呆れて言葉の一つも出ない。永琳は紫にその考え方を改めてもらう為に、次の言葉を紡ごうとした時だ。
 ドアノブがガチャリと音を立てて回る。ドアがゆっくりと開き、誰かが部屋に入って来た。それと同時に、永琳と紫は素早く行動を起こす。永琳はとっさに机の方を向き、徒かも机に向かって作業をしているかの様に仕立て上げる。紫はスキマへと入り、この部屋から出て行った。


「――永琳、入るぞ?」


(紫は……もう居ないわね)
「……入る時ぐらいは――」





ー ー ー ー ー ー





「――貴女達は先に食べてなさい」


「……りょーかい」


 永琳はレンを先に帰らせた後、手に取った赤い液体入りの試験管を見詰める。液体は鮮やかな赤をした“血”だ。そう、紫が提供してくれた血の残り。何の血かは粗方予想していたが、念の為に調べていたのだ。


「……やっぱり、通りで“傷の治りが早く”なったのね。普通じゃ数時間で腕が接着する筈ないもの」


 秋葉の異常なまでの治癒力。それを裏付ける決定的な証拠が得られた。


「ここまで人体に影響を与えるとはね……フフ、興味深いわ。これから先、どの様に変態していくのかしら?」


 クツクツと永琳は笑みを浮かべて笑う。今の永琳は“医者”ではなく、“探求心旺盛の科学者”と言ったところだろう。
 これから先、秋葉の身に何が起こるのか? それは誰にも分からない。血を提供した張本人である紫でさえも……



変態する肉体――



人間離れした治癒力――



この先に待ち受ける運命とは――


それすなわち――


人間でなくなる事――





ーあとがきー



要は永琳視点の話ですね。
ネタバレを控えつつ、物語に関わる事を書いてみたつもり。

書 い て み た つ も り(大事な事なので二回(ry

勘の良い方や、妄s(ry 想像力が豊かな方は既に気付いたんじゃないかな?
まぁ、今分からずともストーリーが進めば分かります。

一応、小説内にヒントはありますが、絶対ヒントの役割果たしてなないよなww
うん、けーねに頼んでヒント何て無かった事にしようww(ぁ

gdgdに定評のあるフランドール。
何とかしないと……

……さて、あとがき書きすぎるとネタバレしちゃいそうなので、今回は此処で終わりに。
では、次回のあとがきでお会いしましょう(´ω`)ノシ

‡*綻びへ‡‡狭間へ#‡
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あきゅろす。
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