こっちを向いて
見つめてた
「その時すでに晴矢のこと好きだったから、あの子より先に……未里ちゃんより先に晴矢を手に入れることしか考えてなかった」
欲しくて欲しくてたまらなかった。
未里ちゃんみたいに晴矢の視線の先にいつもいたかった。
ずっと……隣で笑ってたかった。
「ねえ、正直な気持ちを、未里ちゃんの口から聞きたい。晴矢のこと好き？」
「……」
目の前で少女は戸惑いを見せる。
ねえ、私決めてるの。
あなたがこの質問に答えたら教えてあげること。
だから、ね？
私の気持ちが届いたか届かないか、彼女はしばらくして真っ直ぐ私を見つめた。
「ごめん。西野さんと晴矢が付き合ってるのは知ってる。けど、私はまだ晴矢のことが好き」
やっと……聞けた。
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