こっちを向いて
授業中
チャイムと共に教室に辿り着く。
よかった、間に合って。
西野さんと話してて間に合わなくなるかと思った。
ホッと胸を撫で下ろし、自分の席につく。
「今日は遅いな。どうしたんだ?」
声をかけられ、パッと横を振り向く。
隣の彼と目が合った瞬間、振り向いた顔を元へと戻す。
そうだった。
私の隣、亮介じゃん。
「未里〜。俺の話聞いてる?」
彼の声にいちいち心がびっくりする。
平常心、平常心だ。
私はスゥーって深呼吸し、勢いよく亮介の方を振り向いた。
「何でもないよ。ただ寝坊しただけ」
あははー、っと不自然に笑う私は冷や汗たらたらだ。
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