こっちを向いて
誘い
「未里ちゃん」
いつの間にか校門の前についていた私の目に、１人の少女が走り寄ってきた。
「西野さん…………」
「遅いから休みかと思っちゃった」
いつものようにふわりと笑う彼女。
かわいいなぁ。
晴矢が一目惚れするのも分かるな。
「どうしたの？」
「あ、あのね」
西野さんはチラッと真希の方を見た。
真希はその瞳で何かが伝わったのか、先行くねと言って先に校舎の中へ入っていった。
真希が行くのを確認すると目の前にいる彼女がゆっくり口を開いた。
「あのね、放課後一緒に帰っていい？今日部活休みなの」
「え？でも晴矢はいいの？」
なぜ西野さんが一緒に帰りたいのかわからずそう尋ねた。
だって西野さんは晴矢と帰るのが当たり前だと思ってたから。
なのに、西野さんは私が晴矢の名前をだした瞬間に悲しそうな顔をした。
「えっとね…………今日はいいの。未里ちゃんに話したいことあるから」
「そっか………」
気になる。
二人の間にきっと何かあったんだ。
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