こっちを向いて
晴矢sideA
「そっ………………か」
そう言うと花恋はにっこりと微笑んだ。
朝、未里が見せたような作り笑いで…………。
「じゃぁさっ、1つだけお願い」
「お願い?」
「うん。私達が別れたってこと、未里ちゃんには私が言うから言わないで」
花恋が………?
「何で?」
聞き返すと花恋はクスリと笑い立ち上がって自分の唇に人差し指を添えた。
「ナイショ」
そのまま彼女はくるりと回り、
「じゃあね」
と、言って走り去ってしまった。
残された俺は、
ただ彼女の後ろ姿を見守ることしかでかなかった。
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