こっちを向いて
修羅場
連れて行かれそうな私を見た亮介が空いている方の私の腕を引っ張った。
「何処連れてく気だ?」
さっきまでの笑顔とは違い真剣な顔で晴矢に聞く。
「連れてく相手違うんじゃないのか?」
その顔は晴矢に負けないくらい怖い。
晴矢もいつも亮介の言葉には詰まってしまう。
それほど亮介は皆より少しうわてで痛いとこをついてくるのだ。
なんか私、修羅場に居合わせちゃったな。
やだな〜。
本当にこういう雰囲気苦手。
まぁ得意な人もいないか。
「お前らがこそこそなんか隠してるから未里に聞くだけだろ」
「今ここで聞けばいいだろ。俺、晴矢に彼女が出来てからも未里と二人きりにしてやるほどお人好しじゃないから」
晴矢の眉毛がピクッと動いた。
「どういうことだよ」
晴矢のその問いに何の躊躇もなく亮介は答えた。
「俺、昨日未里に告白したから」
サラッと言ったよ!!
私がいるのにサラッと言った。
っていうか、私がいるの覚えてる?!
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