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酔っ払い(後編)


状況を理解するまでに恐らく数秒はかかった気がする。気付けば俺は山崎に押し倒されていた。

「……は?」

もしかして…と嫌な予感が頭の中で横切り、顔を強張らせて相手を見つめる。
すると山崎は急に俺の上に乗っかったまま腰を高く上げて、指先を口に突っ込み唾液を絡めてから自分の後孔を解し始めた。

「…ん、はぁ…」

恐らく俺の嫌な予感は外れたと見ていいのだろう…ただ、コイツが何をしたいのか俺には一向に掴めない。

「や、山崎……?」

相手の恥態に俺の下半身は耐え切れなかったらしく、むず痒さに身をよじると山崎に声で制された。

「はぁ…っ…土方さんは、動いちゃ、らめ…」

益々意味が分からない。
コイツは俺に、自分一人が気持ち良くなる姿をただ黙って見ていろ、と言いたいのだろうか?

そう思いながらも俺の上で興奮している山崎をジッと見ていると、ふと動きを止め、今度は俺自身を取り出してゆるゆると扱き始めた。

「……ッん…」

突然の刺激に驚いて、既に主張を始めていた自身からはトロトロと先走りが零れ始める。
それを竿に塗り付けるようにクチュクチュと数回扱いてから、山崎は自分の上半身を起こして再び念を押すように恍惚とした表情でこう言った。

「土方さんは動いちゃいけませんからね?」

なんとなく俺が状況を理解するのと同時に、山崎が俺自身を後孔に宛がってゆっくりと腰を降ろしてきた。
先程山崎が自分で解したお陰でさほど苦しそうな顔はせずに、なんとか根元まで埋め込んだようだ。

「ん、はぁ…好きです…土方さん…」

繋がれたことに嬉しそうに微笑む山崎を見て愛しさが込み上げる。
突き上げたくなる衝動を必死に堪えながら、俺も好きだぜ、囁くと満足したようにもう一度笑って、山崎はゆっくりと腰を動かし始めた。

「ん…ぁあ…」

最初は俺の上でゆるゆると円を描くように腰を動かし始める。
必死にもどかしさに耐えながら山崎の太股を撫でてやると、ピクンっと震えて中で俺自身をキュウっと締め付けた。

その締め付けに味を占めた俺は、更に目の前にそそり立つ山崎自身の裏筋をツーっと指先でなぞる。

「んぁ…っ、らめ…っ」

弱い部分に触れられて内股を震わせながら、再び俺自身をキュウキュウと締め付け、山崎は必死に俺を気持ち良くさせようと腰を上下に動かし始めた。
そんな山崎の気持ちを汲み取り、自身を弄るのを止めて下半身の快楽だけに集中しようとする。

「…ん…っ、さが、る…」

俺の上で必死に腰を上下させる恋人を見ているだけで正直達しそうだった。
山崎は自分のいいトコを探り当てるかのように、腰の動きを緩めることなく動き続け、突如一際高い嬌声を上げてキュウっと俺自身を締め付ける。
恐らく前立腺を探り当てたのだろう、コリコリしたシコリのような部分を何度も俺の自身に擦り付けて、快感を貪っている。

「は…ぁあん…っ、気持ちい……っ」

口端からはだらし無くよだれを垂らし、快感に瞳を潤ませて震える足で何度も自分の体を揺さ振り続ける。
そんな姿を見て我慢出来る訳もなく、理性が飛ぶのを感じながら山崎の腰を掴んで思いっきり突き上げてやった。

「んゃぁああ…っ!」

恐らくあまりの快感に当初の目的など忘れててしまっているのだろう。
俺の動きを制することなく絶頂が近いことを告げるように先走りが溢れる自身を、ふるふると震わせている。
俺もそんな山崎の反応を楽しみながら、何度も前立腺を擦るように突き上げてやる。

「ふぁあ…やっ…やら、イく、イく…っ!」

強い快感に首を左右に振りながら生理的な涙を浮かべ、中をギュっと強く締め付けると同時に、山崎は勢い良く欲を俺の腹部に撒き散らして果てた。

「んく…っ…!」

その締め付けに搾り取られるような感覚を覚えながら俺も山崎の中に欲を吐き出す。

「んはぁ…はぁ…はぁっ…」

流石に疲れたのだろうか、俺の欲を中で受け止めると甘い声を漏らしながら、俺の胸元に倒れ込んで息を荒げている。

「……はぁ…っ、退…」

熱くなった体をしっかりと抱きしめて頭を撫でてやると、甘えるように擦り寄ってくる。

「…退…すげぇ良かったぜ…」

繋がった後特有の幸せな気持ちに、知らずの内に頬を緩ませて恋人を優しく抱きしめると、山崎は何も言わずにただ顔を真っ赤にしていた。


……何を今更恥ずかしがってんだコイツは。

そう思って俺はまた笑みを零してから、恋人の額に優しく口付けた。



「……愛してる。」











END

ぐだぐだ祭


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