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自分で決めたなら
「で、レヴィ君はなんでそんな浮かない顔してるのかな? どれどれ、俺様に話してみなさいな」

アリアとシャルロッテが去った後、アイドがそう言ったのは一体どれぐらい経ってからだろう。先程、アリアやシャルロッテと話していた時とはうって変わって、レヴィウスは浮かない表情をしている。

「……やっぱり彼女のことか」

「……まあな。ロッテの前じゃ、ああ言ったけど。オレは覚悟が出来てるからいい。けどロッテは……」

彼女のことか、と言うシェイトにレヴィウスはシャルロッテが先程までいた場所を見つめる。レヴィウスは影で変わり者、放蕩息子などいくら言われても構わない。
言いたい奴には言わせて置けばいいのだ。

だがシャルロッテは違う。あの子はレヴィウスの大切な従姉妹。分かっているのだ。彼女が小さいままではないことは。けれど、どうしても考えてしまう。シャルロッテからすれば、余計なお世話なのだろうが。

「じゃあちゃんと話しなくていいのかよ?」

「きっと答えは変わらないさ。……ロッテは頑固だから。結局、オレが出来るのはほんの少し手助けすることだけだ」

よく分からないと言った顔をするアイドに、レヴィウスは苦笑する。シャルロッテは可憐な外見に似合わず頑固なところがあった。
例えレヴィウスが言ったとしても彼女は首を縦には振らないだろう。むしろ逆効果だ。

ならばレヴィウスが出来るのは、彼女を助けることだけ。それを分かっていたから、複雑な表情をしていた訳だが。

「なら、それでいいんじゃないか? 自分で決めた道なら大丈夫。レヴィだってそうだったろ?」

「そうだな……」

な、と笑うシェイトに、昔、彼と出会ったばかりの頃を思い出す。他人の言葉は関係ない。ようは自分が何をしたいかだ。
顔を綻ばせたレヴィウスの肩を、アイドが乱暴に叩いた。しかも満面の笑みで。

「よし、話が纏まったとこで、みんなー、質問あるやつは遠慮なく言えよ〜! ほらほら、順番順番」

アイドの声を皮切りに、クラスメイトらがレヴィウスたちに群がった。皆聞きたくてうずうずしていたのだろう。
訪ねて来た一年生二人は一体、彼らとどんな関係なのか。

「おい! アイド!!」

「主にレヴィが頑張れ」

ちゃっかりした悪友を怒鳴り付けるレヴィウスに、頑張れ、と何故か悟りをひらいたような笑顔のシェイト。
そんなこんなで休み時間は終わりを告げたのだった。



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