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隠された秘密
「もし顔に傷でも残ったらどうすんだ。折角綺麗なのに……」

「レ、レヴィウス様……」

そっと、壊れ物にでも触れるようにシャルロッテの頬に手を添えた。それを素でやるレヴィウスは流石である。教室内からは黄色い悲鳴が上がり、シャルロッテは頬を赤く染めて彼から視線を逸らした。

「これなんだよなぁ〜……」

「レヴィはあれが素だから」

「シェイト先輩がそれを言います?」

はあ、とため息をつくアイドにシェイトも若干呆れたよう。わざとやっている時もあるが、“あれ”はレヴィウスの素である。だからこそたちが悪いのだが。

苦笑するシェイトに言ったのはアリアだった。シェイトだって同じではないか。本人は意識していないらしく、不思議そうな顔をしているが。

「えー……と。俺、悪いことした?」

「知りません!」

困ったように笑い、こちらを窺うシェイトにアリアは唇を尖らせてそっぽを向いた。彼は何も悪くない。
ただ許せないだけだ。それがアリア自身に対してか、シェイトに対してかは分からなかったが。

「ええっと、ロール先輩?」

「俺様にな、何か用かな? 美しいお嬢さん」

気を取り直してアリアがつい、と近付くとアイドの笑顔がひきつった、気がした。少なくてもアリアにはそう思える。
言動はレヴィウスに似ているし、女性好きなのかと思っていたのだが……。

「……もしかして、女性が苦手なんですか?」

「まさか! そんなことある訳ないじゃない〜」

「嘘です。ならどうして後ろに下がってるんですか?」

とんでもない、というようにアイドは笑うが、アリアは気づいていた。アイドが徐々に後退していることに。
よくよく見ると、少年の額には冷や汗が浮かんでいるではないか。

「はいはい、そこまでね」

「アイドもいい加減、諦めたらどう?」

「ぐぬぬぬ……」

アリアが止まればアイドも止まる。何とも奇妙な光景にレヴィウスは笑い、シェイトは苦笑する。
アイドは冷や汗を拭おうともせずに唸っていた。

「……分かった。白状しますって。俺様は異性が苦手なの」

「やっぱりそうなんですね」

観念して白状したアイドに、アリアも彼を追い詰めることを止めてシェイトの隣に戻る。
しかし一つ、疑問があった。異性が苦手だというのなら、

「どうしてレヴィウス先輩みたいな言動なんですか?」




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