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いつか来るその時に
「わぁ〜あ……」

退屈だ。退屈で仕方ない。魔術の理論やら歴史やらの昼過ぎの授業は正に地獄だ。程好い眠気を感じていたアリアだが、隣に座るフィアナの視線が寝るなと訴えて来た……気がした。

そんな間にも教師の口からは、精霊理論や魔術歴史の単語が矢継ぎ早に飛び出し授業は進んでいく。

「……特に召喚魔術は他の魔術と比べ、最も才能が必要とされる魔術です。主な種類としてはサモンエレメント、セラフィムコール、デモンズスペルなどがあげられます。また……」

しかも次回の授業が召喚魔術のテストなため、この授業は言わば復習だ。一度聞いた話をもう一度聞かされても面白くも何ともない。

むしろ暇だ。昨日夜更かし(もちろんフィアには内緒だが)した事も相俟ってかなり眠い。とは言っても授業中に本当に寝る訳にもいかないので、何気無くシェイトの事を考えてみた。

シェイト・オークス。

学園始まって以来の天才。自分が知っているのは精々それくらいで、そんな天才が私に興味を抱く理由が全く分からない。


私はもう何も失いたくなし傷付きたくない。私に関わらないで……そっとしておいて。その方が良い。
フィアやマリウスは優しい。だけど二人に甘えちゃいけない。いつかきっと思い知らされる時が来る。自分がどんなに愚かで無力だと言う事に……。でも、でもね。一人は寂しいよ……。



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あきゅろす。
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