空色の青年A
青年――レヴィウスは腰を折り優雅に礼をする。この辺りは流石は貴族といった所だろう。
「フィアナ・クルスラーです。こっちはアリア。アリア・ハイウェル」
「フィアナちゃんにアリアちゃんね。こんな可愛い子たちと知り合いなんてシェイトも中々やるじゃないか」
恐縮しまくるフィアを他所に我関せずといった風に食事を続けるアリアとシェイト。この二人は意外に似ているのかもしれない。
「さっきから思ってたんだけどマリウスってセレスタイン先輩と知り合いなの?」
レヴィを完全に無視したアリアがふと気付いたようにマリウスに問う。そんなアリアにレヴィは拗ねた様な表情を浮かべた。
「アリアちゃんってば俺と君との仲なんだからレヴィウスって呼んでよ」
茶化しているのか、本気で言っているのかイマイチ分からない辺りが彼の長所かもしれない。長所と言えるかは微妙かもしれないが。
「誰が俺とアリアちゃんの仲だよ。今会ったばかりだろうが」
やや達観した表情でシェイトはつっこむ。こんなやり取りは彼と出会ってから最早日常の一部と化している。もう末期だろうか。考えないようにしよう。
「仕方ないですよ。レヴィウス先輩なんですから」
レヴィの言葉にマリウスは柔らかに微笑んだ。だがそれは何処か黒さを含んだ笑みで凡そ後輩が先輩に向ける表情ではない。
「ああ。なんたってレヴィだからな」
シェイトはマリウスの言葉に妙に納得したようでうんうんと頷き、ため息をつく。
「俺だからって何だよ!? シェイトも納得するな!」
「なんかマリウス黒いよ?」
「昔からたまに黒いのよね……ほんの一瞬だけど」
言い合う三人(一対二)を尻目にアリアとフィアナは呆れたように呟いた。
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