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空色の青年
「私はパスタかな」

「僕はリゾットですね」

二人の答えを聞いたフィアはうんうん唸りながら、結局はアリアと同じパスタに決めた。早速各々料理を注文し席に着いた時、聞き覚えのある声が掛けられた。

「隣いいかな?」

後ろに居たのは昼間妖精の森で会った青年、シェイトだった。

「……どうぞ」

と返事をすると隣のフィアに小突かれた。

『ちょっとアリアって“あの”シェイト先輩と知り合いなの?』

『知り合いもなにも今日の昼間に知り合ったばかりだし』

そもそも一言二言しか会話してないし、知り合いと言うより通りすがりだろう。先程から感じていたが妙に周りの視線が痛い。

『それにしては随分と親しそうですね』

「どうかした?」

アリアの隣に腰を下ろし、シェイトは三人に問う。小声で話していたアリアとフィア、そしてマリウスは揃って首を振った。

「い、いえ」

「お、シェイトじゃん。誰その可愛い子たち? 俺にも紹介してよ」

席に着いた四人の上から声が振ってくる。声の主は、紅玉のように鮮やかな朱色の髪に、澄んだ空色の瞳を持つ端整な面立ちの青年だった。

腕章を見る限りシェイトと同じ二年のようで、青年はマリウスの隣、つまりはシェイトの向かい側に腰を下ろした。

「レヴィ」

「レヴィウス先輩!」

とマリウスが驚愕の表情を浮かべ、青年――レヴィウスの名を呼ぶ。レヴィウスと言えば……。思い出せそうで思い出せない。だがその答えはフィアが知っていた。

「レヴィウスって言えば、あの大貴族セレスタイン家の跡継ぎの名前じゃない!」

その言葉にレヴィウスは我が意を得たりという風に頷いた。

「初めまして。レヴィウス・フォン・セレスタインと申します。以後お見知り置きを」



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