アリアの悩み アリアは学園祭で先輩であるユーノに言われたことを気にしていた。 シェイトを追い出した後、ユーノに占ってもらったのは恋愛について。 どうも自分とシェイトは相性はいいらしいが、お互いのために近付かない方がいい。 暗に言われたのだ。決して叶わぬ恋ならば恋をするなと。 ユーノは占いだし、あくまで参考程度だよと言ってくれたが、それでも受けたショックは小さいとはいえない。 その後、シェイトの顔を見るのが怖かった。ちゃんと笑えていただろうか? 学園祭からもう二週間。あれからシェイトには会っていない。 ユーノの占いを気にしたことと、銃の練習に追われていたこともある。 学年が違うので会わないでいること自体、それほど珍しいことではない。 だが後ろめたさを感じている自分が嫌だった。 次は選択授業、アリアは精霊論なので教室を移動せねばならなかった。教科書と筆記用具を持ち、廊下を歩いていた時だ。 隣のフィアナが尋ねてきたのは。 「ね、アリア、最近元気ないでしょ?」 占いのことはフィアナには話していなかった。だが一人で悩んでも落ち込むだけ。 アリアは意を決して口を開いた。 「学園祭でね、ちょっと占ってもらったの。私と……シェイト先輩のこと。相性はいいけど、お互いのために関わらない方がいいって。悲しい結果になるから」 アリアにはそれを占いだからと笑い飛ばす事が出来なかった。だってそうだろう。 いくら占いとはいえ、ここまで言われれば嫌でも気にしてしまう。 だがユーノを責めることは出来なかった。対象は違うが、母やミゼルのように彼女はきっと占いに誇りを持っている。 いくら結果が結果とは言え、嘘をいうことなんて出来るはずがない。 「あー……それで元気なかったんだ。あんまり気にしない方がいいよ。私とマリウスなんて昔占ってもらった時、相性最悪って言われたんだよね。別に何でもいいけど」 アリアを励ますようにフィアナは大袈裟に笑ってみせる。 だが相性が最悪と言われたのは本当だ。しかも誰に占ってもらっても結果は同じ。 ここまで来ると逆に笑えてくる。 そんなフィアナをアリアは羨ましく思うのだ。自分もそんな風に考えられたらと。 「で、誰に占ってもらったの?」 「二年のユーノ・チェンバレン先輩」 ユーノ先輩の名前を言った瞬間、フィアナはばつが悪そうな顔になった。 「……よく当たるって評判だよね」 ……フォローになってないと思います、フィアナさん。 [*前へ][次へ#] [戻る] |