余計なお世話?
聖霊祭。現在では、女神アルトナが天地を創造し人や獣を作り出した日を祝う祭であるが、もとは天の恵みに感謝し、失われた魂を悼むために始められたものであった。
普段から巡礼者や旅人で賑わうシェイアードは、朝だと言うのにごった返している。
あまりの人の多さに目を離せば連れの者とはぐれてしまいそうだ。
この日ばかりは、普段静かな雰囲気のシェイアードも多くの人々で賑わう。
「流石は聖霊祭ってとこだな。って事で昼まで別行動で。集合は中央広場の女神像の前な。ロザリィ、ハロルド行くぞ」
「えっ、ええ!?」
「ってオレも!?」
レヴィウスは着いて早々別行動を告げると、戸惑うロザリナとハロルドを有無を言わさず連れて行く。三人の姿は人混みに紛れ直ぐに見えなくなった。
「先輩、私たちも行きましょう! さ、早く」
「あ、ああ。分かったから引っ張らないでくれ」
レヴィウスの折角の配慮を無駄には出来ない。アリアはシェイトを連れ、直ぐ様その場を離れた。
アリアたちが居なくなった後、暫しの沈黙が続く。
『き、気まずい……こんな時どうすれば良いんだろう?』
フィアナは何年もマリウスと一緒に居たが、ここまで居心地が悪いのは初めてだった。
「……フィア、僕たちも行こうか」
初めに口を開いたのはマリウス。
「うん」
そんな端から見ればもどかしい二人の様子を近くで窺う三人が居た。
『で、オレたちは一体何をしている訳? オレの仕事は護衛なんだケド』
一番早くその場を離れた筈のレヴィウス、ハロルド、ロザリナである。
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