聖霊祭当日
そろって朝食をとっていたアリアたちは、嫌な空気がかもし出す微妙な雰囲気に困っていた。
『ちょ、何この微妙な空気!? オレ来てまだ二日目なのに勘弁してくれよ』
居たたまれなくなったハロルドがアリアに小声で訴えて来る。しかし原因はフィアナとマリウスの二人だと分かっているが、本人たちがどうにかせねば根本的な解決にはならない。
『我慢して下さい。聖職者ならほら、間に入るのが上手いんじゃないんですか?』
それに異端審問官だし。これくらい朝飯前では無いのか。
『無理無理! オレの場合大体力ずくだしネ』
そんな威張ってウインクされても可愛くないし困るんですけど……。
先ほどから何とか場を持たせようとレヴィウス、シェイトが奮闘しているが全く効果はない。二人共無言で朝食を取っている。
事情を全く知らないロザリナもどうして良いか分からず居心地が悪そうだ。
「あ、あの……今日は聖霊祭だし折角だから行ってみません?」
この状況からなにがなんでも抜け出さなければ。今のフィアナとマリウスは見ていられない。
「アリアちゃん良いこと言うね! 年に一度の祭だし見て損は無いな」
「俺も良いと思うよ」
アリアの提案にレヴィウス、シェイトも同意を示す。
「あの、私も一緒に行って宜しいですか?」
「勿論。一緒に行こうね」
アリアが即答するとロザリナは嬉しそうに微笑んだ。
「フィアナとマリウスもいい?」
「ええ……」
「うん」
アリアの言葉に二人とも頷くが結局、フィアナとマリウスは目を合わせる事はなかった。
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