貴女に贈る詩
始まりの詩を奏でましょう
何処までも優しく愛しい詩を
さあ目を開けて
わたしの半身、喪われし片翼
貴女の覚醒は近い
どうか恐れないで
前を向いて
貴女はわたしの希望なのだから
私に呼び掛けるのは誰? 心地好い、懐かしい声の主は誰?
「朝?」
アリアは唐突に目を覚ました。目に入るのは天涯付きのベッドと大きな窓。そう、自分は今セレスタイン家の別荘にお邪魔しているのだ。
まだ太陽も昇らぬ夜明け前のようで朱色の光がうっすらと東の空を染めている。
『夢を……見ていたような』
アリアはふと自分の頬に涙の後を見付けた。
重要な夢を見ていた気がするが全く思い出せない。だが優しく懐かしい夢だったと言う事だけは分かる。誰かが自分を呼んでいる気がする……。
『私を呼ぶ貴方は誰なの……』
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