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優しい光
 ルフィナがフレデリックやシェリアと共に暮らすようになってニ週間が過ぎた。役人からの連絡は未だなく、手がかりも掴めていない。
 ルフィナも徐々にだが、ラントでの生活に慣れて行った。

 シェリアは体が弱いため、外で遊ぶことは出来ないが、彼女と話す時間は楽しい。
 それにここには沢山の本がある。シェリアが休んでいる時は本を読んだり、
 時にはアスベルやヒューバートと遊びに出かけた。そして今日も。

「ルフィナ! 遊ぼうぜ!」

「こんにちは」

 いつも通り、アスベルとヒューバートが迎えに来た。シェリアはここ数日、体調が悪く臥せっている。 熱はないが、席が止まらないのだ。フレデリックに大事を取って休むように言われ、彼女はとても残念そうだった。
 シェリアには何か持って帰ってくると約束している。二人を出迎えたルフィナは元気よく頷くと、一緒になって駆け出した。

「アスベル、ヒューバート。うん、行こう」



 ラントにはアスベル達以外に、何人かルフィナと同年代の子供たちがいたが、やはり一番仲が良いのはアスベルとヒューバート、シェリアだろう。
 全く話をしない訳ではないが、アスベル達といると落ち着くのだ。
 ちなみに今日の遊びは鬼ごっこである。じゃんけんに負け、鬼になったのはヒューバートで、アスベルとルフィナは笑いながら逃げていた。

「待ってよ、兄さん、ルフィナ! わっ!」

「ヒューバート!」

 走っていたヒューバートがバランスを崩し、派手に転んだ。アスベルとルフィナが駆け寄ると、両膝が擦りむけ、血が流れていた。
 痛かったのだろう。泣く所まで行かないが、彼の青い瞳には涙が滲んでいる。

「大丈夫か!?」

「う、うん……」

「痛そう……」

 ルフィナは膝をつき、ヒューバートに触れようとする。その瞬間、ルフィナの手から生まれた眩い光。
 あたたかでどこか懐かしい。知らないはずなのに、優しい光を知っている気がした。

 導かれるようにそっと手を翳す。
 すると、ヒューバートの傷が跡形もなく塞がっているではないか。傷など最初からなかったよう。
 夢ではない。何度見ても傷を見つけることは出来なかった。



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あきゅろす。
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