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主よ、憐れみたまえ



「…にしても」

相変わらず煙管の煙りで充満した部屋だよね!換気ぐらいしなよ、とぶつぶつ呟きながら窓を少しだけ開ける。

ティキはふかふかの社長イスのようなイスに座りながらパソコンを再起動させている。何か面白いことあるのかな?そっと横目で覗いてみる。

「あ、見んなよ」
「ティキポンもしかしてエロゲーとかやってんの?やらしー」
「違うって!それ誤解されるからやめろよマジで!」
「じゃ、何やってるの?」
「メール」
「女?さすがエロ教師」
「お前黙ってて」

いや、携帯の料金が払えなくて今パソコンなんだよ。投げやりにティキは言い放つと私をじっと見て、「名前をねぇ…」と何やらぶつぶつ呟きはじめた。とりあえず立ってるのも疲れるのでティキの膝へ座ってみる。

「ダイエット成功か?」
「流石ティキ。さて、今回私は何kgのダイエットに成功したでしょーか」
「ははは、1だろ」
「うわ、何でわかった」
「名前が1以上ダイエット成功したって聞いたことないぜ」
「死ねばいい」

むかついたのでマウスを強奪し、ティキが閉じたメールの画面を開いてやった。すると、見知った名前が贈り主で、私の話題が書かれている。ティキが、あーあ、など呟いていた所からして私が見ないほうがいいメールなのだろう。

「クロス先生で、私が、生意気?何これー、私が生意気だって悪口じゃん。ティキさ、もしかして私の悪口をクロス先生と言い合ってたんだ?」
「違う、クロスの性格考えてみろよ。女に優しいあいつが女であるお前を生意気って言ってんだぞ?すっげーレアなんじゃねぇの、名前は」
「レアかー」
「レアだな」
「生の方?」
「小学校から国語をやりなおしてきな、今すぐにでも」
「ジョークです」

パソコンの横にあった辛いミントガムを勝手にもらい、口にいれる。ティキが「違う口に入れてやろうか」とか言ってたのは無視を決め込みながら再度マウスを握る。クロス先生が私を話題に出すんだぁ、へぇ、何か嬉しいというか何というか。これが、あいつ可愛いとかなら喜ぶけれど、生意気、だもんな。愛情の裏返しってティキは言いたいらしいけれど。

「私、クロス先生と喋っても、凄く当たり障りなく敬語で喋ってるのになー」
「お前、何かした?」
「…え、して、ないと、思います。多分、多分だけど」
「因みに、クロスの化学の授業をサボったことあるか?」
「あー、多分。皆出てるの知らなくて一人だけ出てなかった事が何回か去年あったと思うけど、それだけの理由で?」
「それだな」


それだけの理由でお前は目をつけられてたんだよ。











:)
Title→墜胎
にしてもティキの扱いが今回は更に酷い気が…(苦笑)



あきゅろす。
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