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ん …小説
凖+利→島(準太視点)

中学時代、周りは彼女持ちばかりだった。
でも皆すぐに別れてしまう。

理由を聞くと、

「なんかあきちゃってさ。」

…俺は、人を好きになる理由が分からなくなった。

結局さ、『恋』なんて人の気まぐれなんだよな。



初恋は叶わないっ!D



…というような俺の恋愛論を利央に語ってみた。

「だからさ、そーゆーの止めとけよ。これからも野球が恋人でいようぜ?」

俺みたいに

そう続けようとした。
だが、利央はそれよりもはやく口を開いた。

「凖サンは人を好きになった事ないの?」

利央はキョトンとした顔で俺に問い掛ける。

「だったらなんだよ。
良いだろ別に。」

「え!…そうなんだ。じゃあさ、早く好きな人作った方がいいよ!!」

利央は至極真面目な顔で俺に言う。

「なんで」
「初恋は叶わないって言うじゃん、」

…それとこれと何の関係があるんだよ。
利央は真面目な顔のまま言い放った。

「早く初恋済ませとけば次の恋はうまく行くかもしれないじゃん!!」

…アホか。てか繋がりがねぇし。

俺は利央がばかであるという事を再確認した。

それより、

「初恋はフラれる前提なのかよ…。」
「え…、そういうわけじゃ無いんだけどぉ…。」



「…あのね、
俺は初恋が叶わなかったんだ。」
「は?」
「だから初恋は叶わない事を実感してしまった利央君は、親切にも凖さんにアドバイスしてるんですー。」

え、何それ。初耳なんだけど。

…普通今までの流れできたら「利央の初恋は慎吾さん。初恋は叶わないって言うけど、頑張って叶えてみせるぞ!」的なノリが妥当なんじゃねえの?(あの…まぁぶっちゃけ、「初恋は〜」っていう題名的にもさ…)

「幼稚園の頃、凖さんと仲良かったるみちゃんが俺の初恋。
るみちゃんは凖さんが好きだったみたいだけどね。」

利央は涙目でこっちをにらんでくる。
全然迫力無いけど。

なんていうか、つい見とれるような迫力はあるんだけどな。

「準サンほどかっこよかったら初恋だろうが何だろうが叶いそうだけどねー。」

言いながら利央はそっぽを向いた。

そういうお前こそ美形を絵に書いたよーな奴じゃねぇか。



ちょうどその時タイミング良く予鈴がなった。

「あ、俺次体育だから先行くね!
なんか話それちゃったけど、協力の事ヨロシクね!!」

屋上に一人残された。

利央のいなくなった屋上は一人でいるには広かった。



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あきゅろす。
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