ん …小説
凖+利→島(準太視点)
朝練をしてる時も授業が始まってからも、利央の顔が頭から離れなかった。
初恋は叶わないっ!C
利央に好きな奴ができるなんて…。
なんか…負けた…。
軽くショックをうける。
実は俺、この年にして初恋もまだだったりする。
いや、それなりに可愛いと思う子はいたんだ。
幼稚園の時仲が良かったるみちゃんはおっとりした優しい子だったし。
小学校では隣の席だった鈴木さんとはよく話をしたし。ちなみに鈴木さんの髪の毛はフワフワしてて、クラスで一番可愛いかった。
俺の周りにも、そういうチャンスはあった。
皆、「可愛い」と思う。でもそれだけだった。
特にときめきはなく、芽生たのは友情だけだった。
そんな、昔を思い出しているうちに午前の授業は終わり、昼休みになった。
「準太ぁー。飯食べるだろー?」
「おー。」
クラスメイトに返事を返した時。
「しつれーします!!凖さんいますか?」
ばかでかい声と共に利央が教室に入って来る。
…何しにきたんだ?
「凖さん、一緒に屋上でご飯食べませんか?」
いや、俺友達と食べるし…
「お願い凖さん、相談したい事があるんだ…。」
いやでも…友達が…
「準太、俺のことは気にしなくていいぜ。あっちで食べてくるからさ。」
…正直、いらない気を回さないで欲しかった。
「じゃあ凖さん、早く行こうよ!」
溜め息をつく。
結局、利央と一緒に行くことになってしまった。
―――――――――――
「…で、相談て何?」
「あ、あのね…、その……」
「なんだよ、ハッキリ言えよ。」
「うん……俺さ、慎吾さんともっと仲良くなりたいんだ。
だから…協力…してほしいな、って。」
…それは、
「恋人になりたいとか、そんな感じ?」
言った瞬間、俺の心臓はドキドキし始めた。
「や、そんなんじゃなくて…。もっと仲良くなれたらなぁって思ったんだ。」
照れている利央を見ていたら、今度は胸が痛くなってきた。
なんか今日の俺、変だ。
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