[携帯モード] [URL送信]

ん …小説
150Hit

「大体炎天下の中水も飲まずに働き回るなんて馬鹿じゃねーの?」
「うん…」
「お前はただでさえ頭が弱いんだから、せめて体ぐらいは大事にしろよ。」
「うん…って、どーゆーこと?!」


準さんに怒られました。






おんにゃのこ







慣れないマネージャーの仕事についていくのに必死で水分補給を忘れてた俺も悪かったけどさ、

「あー、もうほんとお前馬鹿。呆れるくらいに馬鹿。」

そんなに馬鹿馬鹿言わなくてもいいじゃないか。
大体馬鹿っていう方が馬鹿なんだからね!

…なんて言ったらもっと怒られるから言わないけどさ。


「…次は気をつけるよ。」
「……心配かけさせんなよ。」


心配してくれたんだね。
ありがとう、準さん。


「俺はもう大丈夫だから。準さん練習行きなよ。」

そう声をかけると準さんは首を横に振った。

「いや、利央が心配だし、今から一緒に帰ろうぜ。」
お前危なっかしいもんな、と笑う準さんに少しだけときめいた。
本当にあなたは優しい。


「和さんには言ってあるから。あとこれ、お前の荷物。」


優しい優しい準さんと一緒にいたらいつか俺の心臓は壊れてしまいそうだ。

「準さんありがとう。」

俺はやっぱり準さんが好きだ。
野球か彼か決められないほどに。







帰り道で俺は緊張して、準さんとまともに話せなかった。
男だったらその日の練習の反省をしたりとか、かるく小突き合いをしたり出来るのに。

「なあ、」
「ん?」

それまで無言だった準さんが話し掛けてきた。
多分いづらかったんだろう。まぁずっと会話無しで二人きりはつらいよね。

「お前って女の割に運動できるよな。」
「う…ん、まぁそこそこできるけど…?」
「…なんか勿体ないな。」


なにが、と聞こうとした俺より早く準さんは言った。

「お前が男だったらきっと俺とバッテリー組めるぐらい野球出来そうなのにな、お前。」


頭の中が真っ白になった。

準さんがそんなこというなんて思わなかった。

[*前へ][次へ#]

第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!