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ん …小説
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今日はなれない体(♀)でどうにか過ごさなければならない。

午後は体育の授業があるので困った。
女の子の集団の中では着替えづらいし、かといって今の姿で男の集団には入れない。


結局見学をすることになったけど。






おんにゃのこ






「はぁ…」

溜め息をつくと幸せが逃げるって言うけど、それなら今日一日で俺はどれだけ幸せを逃してしまったんだろう。


今は体育の授業中で、皆はドッヂボールをしている。
俺は体育着を忘れたと嘘をついて(本当は着替えられなかったんだけど)、見学になった。


つまんないなぁ。

皆は体を動かして楽しそうにしているのに俺だけはじっと座っていなければならない。

普段はダルい体育も、独りで見学してるんじゃつまらない。

気晴しに校舎裏へむかった。(ようするにサボり)




木陰に座り込む。
風邪が気持ち良い。


「そういえば、今日は準サンに会ってないなぁ。」

そういえばこっちの俺は片思い中なんだっけ。
好きでいることが周りや神様に許されてるなんて羨ましいな…


ぼんやりと空を見上げる
神様は今の俺に何をさせたいのだろう。


そんなことを考えているうちに、俺は眠っていた。






ふと、目が覚めた。
何か枕みたいなものが頭の下にある。
誰かがひざ枕をしてくれていたらしい。



「お、起きたか?」
「……慎吾さん?!」



ちょっとだけ準さんであることを期待してたんだけどな…残念。



「そんなあからさまに嫌な顔すんなよ…。」

目の前の人は苦笑いをこぼした。

「あ…ごめんなさい…」

顔に出てたかな、俺。


「慎吾さんはなんでここにいるの?」
「だれかさんと同じ、サボりだよ。」



そのあとも慎吾さんとたわいもない話をして、授業が終わるのを待った。

慎吾さんは俺が男だった時と変わらない態度で接してくれた。
たったそれだけの事が堪らなく嬉しかった。



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あきゅろす。
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