ん …小説
準+利→島(準太視点)
いつものように打って、走って、投げて…
今日も当たり前の一日が終わるはずだった。
初恋は叶わないっ!
その日俺は練習後に自主練(って言っても、走りこみだけなんだけど)をしていた。
一息ついて、ふと気がつくとグラウンドにいるのは俺一人だった。
「…疲れた。」
つい溜め息をついてしまう。
あがるなら誰か声を掛けてくれればいいものを…まぁいいか。俺も集中してたし。
今日はコンビニ寄って帰ろうかな…
そんな事を考えつつ俺もあがることにした。
部室のドアの前に立つ。ドアを開けようとしたら中から声がする。
「…ごサン」
この声聞いた事あるな…
「しんごサァン、」
この甘ったるい声は…
…利央か…?
「寝てるの…?」
鍵当番である慎吾さんは、練習が終わって自主錬していた俺を待っていてくれたみたいだ。寝てるけど。やっぱり疲れてるんだよな。
…なんか悪い事しちゃったな。
あれ?
つかなんで利央まで一緒に残ってんの?
「慎吾さん、起きてよ。皆帰っちゃったよー?」
いや、俺がいたから慎吾さんは残ってたんだけど。
利央のまぬけな顔を思い出したら、ちょっとからかいたくなってきた。
利央を驚かせてやろう…
俺は気付かれないようにそっとドアを開けて中に入った。
慎吾さんはベンチの上で寝ているようだ。
利央は慎吾さんをのぞき込んでいる。
いきなり肩でも叩いてやる…
ついでに頭をはたいてやろうかな。
そう思い、利央に近付いた。
その時だった。
「…慎吾さん…
…好きです。」
そう言って、利央は慎吾さんにキスをした。
軽いリップ・ノイズが、妙に現実的に俺の耳に届いた。
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