よそ見しないで!(一ノ瀬トキヤ)
「トキヤさん…あの子が気になります?」
「何のことですか?」
「七海さんをずっと、視界に入れています。」
それまで
七海さんの方を向いていたトキヤさんの顔は私を視界に映す
けど、心の中はきっと…
トキヤさんは苦しんでる自分の力不足に…でも、思ってるだけトキヤさんはもう充分すぎるくらいに才能がある。
なのに七海さんの音楽に自分は触れてはいけないと思っている。
「私は…確かに七海さんには敵いません…ですがトキヤさんを輝かせられる自信は誰よりも…七海さんにも負けません。」
「つまり彼女を越えると?」
「はい…そうしたらトキヤさんは七海さんと組むに相応しい方に…」
「あなたは話をしなくてもわかってくれる…気が楽になります。」
「トキヤさんが笑ってくれるのが何よりです…」
私だけを見て
よそ見なんてしないで
なんて、言えないから
かわりにあなたの幸せな表情を私にも見せてください。
*まえつぎ#
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