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明日、迎えにきて(風丸一郎太)
私の視線の先には
微笑みあいながら
登校するカップルらしい男女


「むっかー!何なのイライラする!」

「おっ、始まった始まった今日は何が気に入らないんだ、みょうじ?」

「聞いてよ!風丸!」

「聞いてる聞いてる」


苦笑いで頷く風丸に「あれ!」と言って指させば。

「カップルがどうかしたのか?」って何でもないみたいな言い方。

「どうもこう…もイライラする!」

「……」

「ちょっと!」

「ああ…ごめんごめん。」

「くだらないって思ったでしょ!?」

「うーん…と、さあ?」

「もう、良いよ風丸なんか…良いよねアンタはカッコイイから女の子選びに困らないものね。」

「おいおい…そんなこと無いぞ」

「ふーんだ。気使ってるつもり??」

「ホントだってそれにこうやって話すのはみょうじくらいだ。」


グラウンドを眺めながらそう言った風丸の横顔が
なんでだろう
すごくカッコよくてしばらく目が離せなかった。


「風丸…」

「ん?」

「明日…明日…」

迎えにきて!


「ど、どうしたんだ?」

「私、」


風丸とカップルに見られたい!

一瞬時が止まった。
あの、アホなみょうじが色恋沙汰には無縁なみょうじが
まさか、俺を…


「みょうじ…もちろん意味わかってるんだよな?」

「わ、わかってるよ!今までわかんなかったけど風丸すごくカッコよかったよ!」


あ、あれ
もしかして私とんでもないこと言っちゃってる!??

「や、やめてくれ…お前にそう言われると調子が狂う…。」


だって、俺だって
お前のことが…。




(む、迎えに行くから家で待ってろよ!)

*まえつぎ#

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あきゅろす。
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