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続き物
B
幸せな土曜日と日曜日
理由は学校が無いからに決まってる。
誰にも会わなくていい、そう考えるだけで嬉しくて堪らない。
でも、もっと嬉しいことがあったりする、近所のお兄さんに「コーチやってるんだ、なまえちゃん今度見に来ない?」なんて言われて実は憧れてたりするわけで、もちろん二つ返事で返した。
確か河川敷でやってるとかなんとか言っていたような気がする。

河川敷に着けば
お兄さんの姿。


「…あの、片山さん…。」

「ん?ああ!なまえちゃん!来てくれたんだ!」

「はい!もしかして…いま忙しいですか?」

「あー…うん、ちょっとだけね。ラインを引かなくちゃならないんだ。」

「ライン?……片山さんってサッカーのコーチしてるんですか?」

「そう、騒がしいガキんちょのね。」

「あははっ!片山さんがコーチなら…私もやってみたいです!」

「うう…なまえちゃんだけだよ!そんなこと言ってくれるの!」


ラインを引きながら
話す私たち
本当に孤独から抜け出せた気分!
こんなに私って笑えたんだ!



河川敷に着くと
案の定コーチはもう既に来ていた。
だけどいつもとは違う…コーチの隣に女がいる…あれはみょうじ?


「片山さんってすごいんですね!」

「いや、俺なんかまだまだなんだよ…他のヤツなんか…」

「コーチよーっす!」

「ん?おぉ!晴輝今日は早いじゃないか!」

「へ?」


晴輝?
ハルキ?
はるき?
大鳥晴輝!?


ぴしり、と身体が固まる。
なんで…大鳥が…!
思わず片山さんの背に隠れる。


「ん?なまえちゃんどうしたの?」

「ごめんなさい、片山さん私この後用事があるんです。」

「用事?なら、仕方がないな、残念だけど…」


悲しそうな顔をする片山さん…ごめんなさい!
でも、でも…!
大鳥がいるなんて知らなかったから!
知ってたら来なかったのに…!


「あ、おい!」

「っ…片山さん、さようなら!」


なんで…なんで!?
大鳥が私を引き留めるの!?
怖くて思わず逃げた、せっかく片山さんと話せたのに…はあ。
別に遠くから見ても…良いよね。(断じてストーカーとかじゃないから!そう見えても絶対違うから!)



俺が引き留めると急いで走り去っていくみょうじ
そして残ったのはニヤニヤした表情のコーチ


「なんだよ…気持ち悪いな!」

「いやいや…なまえちゃんに惚れたか!晴輝!」

「はあ?なんで俺がみょうじなんか…」

「なんだなまえちゃんのこと知ってたのか?」

「知ってるも何も同じクラス…」

「ほほう…なんだなんだチャンスありまくりじゃないか!」

「だーかーらー!ちげーって言ってんだろ!!」

「まあまあ…落ち着けって…なまえちゃんは中学生からよくナンパされるんだ。」

「え?」

「だから、若干男子に対して冷たくなっちまうらしい…だからなまえちゃんが口が悪くなるときは警戒されてるって意味なんだ。」


みょうじ?ナンパ?
口が悪い?
俺、警戒されてるってことか??


「コーチ…みょうじのことナンパ…」

「馬鹿っ、するかアホ!逆だ逆!助けたんだよ!」

「ちっ、なんだ…つまんねーの!」

「あのなー!…と、まあそれは置いといて…なまえちゃんは色々苦労してるんだよ。」

「ふーん…。」


聡や狭山たちが来るまで一人でウォーミングアップをする。
みょうじがナンパ…って言うかそんなにモテてるなんて知らなかった。
ん?
ナンパ→みょうじが絡まれる→助ける俺!→超絶カッコイイ!
うん!実に素晴らしい考えだ!流石、俺!


「わーっははは!」


(ねえ…コーチ、ハルキに何があったの?)(んー、あ!美少女にあったからじゃないか?)(美少女…?)


月曜日だ!
早く、月曜日になれ!
俺のために早く来い!

*まえつぎ#

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