[携帯モード] [URL送信]

続き物
@
ぐしゃ
白くて丸いそれは
私のお気に入りのサロペットに嫌な音を立てて当たってからぼとりと地面に落ちた。
せっかくのふわふわの真っ白がフライに上がる前の下準備中のアジフライみたいになってしまった。どうしてくれんだよ!高かったのに!


「…悪い!手が滑った!」

「大鳥…っ!お前!」

「だから。悪いって言ってるだろ!…そんなんだからいつも一人なんだよ。」

「ハルキっ!止しなよっ!」

「……うっさい…。」


喉の奥がジリジリする。苦しいなんかわかんないけど血の味がして…
なんか声もうまく出なくて、黙ったままの大鳥たちのカオが見たくなくて女子トイレに向かって走る走る。


「ハルキ…みょうじにだけ態度変だよ…。」

「うっせーな!大体あんなとこにいるのがおかしいんだよ女子なら女子らしく教室でお喋りしてろっての…。」

「……ハルキ…どちらにしろ、みょうじに謝んなよ。」

「ふん、知るか。大体聡はみょうじのこと気にしすぎなんだよ。」

「なっ!」


そう晴輝に指摘されれば頬を赤く染めた駒澤


「はあ…とりあえず教室に行こう、もうチャイムなっちゃうよ。」


聡の言うことに素直に頷き、予鈴のチャイムが鳴ると同時にクラスに着いた俺達、みょうじは何事も無かったかのように自分の席に着いていた…なんて俺が気にすることでもねーけど…。(だってあれはカツアゲを退治するためにやったことでわざとではない。)
…はず、なんだけど
アイツの服はモコモコの真っ白で俺がぶつけた卵の黄身がうっすらとシミになっていた。
そればかりは気にせずにはいられなかった。
羽織っている上着を貸してやろうと思い立ち上がればそこには聡がいた。手には上着…俺はそっと自分の手にある上着を着直す…なんだ…俺、必要ねーじゃん。
ひそひそと周りの女子が二人を横目に見て話し出す。…どいつもこいつもおんなじヤツばっか…。何考えてるのか、まったくわかんねー


本鈴のチャイムがなれば駆け足で自分の席に戻ってく奴ら。
みょうじは聡の上着を相当悩んだのかやっとの思いで着た様子だった。聡の表情を見れば優しい表情…わかりやすいヤツ…。


「はい、席についてー転入生を紹介します。」


教壇の前に現れたのはいかにも俺できますタイプのイケメン君
モチロンきゃあ、きゃあと女子が騒ぐ
クソ、腹立つな
カッコイイところも
勉強できそうなところも、何もかもが良い雰囲気を出している。
俺とはまるで何もかもが正反対で別の世界の人間みたいだ。
だから、尚更腹がたつ。


そんなムカつく奴の隣はみょうじ……ああ…また、イライラしてきた。
なんでこいつらが隣なんだ。


チャイムが鳴り終わったと同時に陣明の周りに群がる女子たち
俺の周りにはむさ苦しい男子たち……ってなんだこの、敗北感…。
スッと陣明の隣から姿を消すなまえ。
待ってましたと言わんばかりに一人の女が座る。確か聡がアイツは絶対無いよ。って言ってきたっけ。
聡の言うことは外れない …その証拠にあの女の猫なで声にぞくりと鳥肌がたつ。
そしてそれを陣明は軽く流す、女の扱いに慣れているところを見ると今までもあーやって女子にちやほやされてたのが伺えて、また、腹がたった。


さて、このイライラを今日のサッカーにでもぶつけようか。

つぎ#

あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!