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続き物
D
「熱斗!?何処まで行くの!?」

「へ…あ、ごめんごめん!」


とりあえず、炎山から離れたくてさ
だってなまえ何だかんだ言っても炎山のこと気にしてるし


「なっ!何言ってるの!?」

「あれ??違うの?」

「違うわよ!」

「ふーん…だったらさ」


なまえの相手は俺でも良いわけだよね??


「へ??」

「だって炎山はどうってこと無いんでしょ??」

「そ、そうだけど…」

「じゃあ良いじゃん!」

「良くないわよ!!」

「まあ、そう言う前に俺と遊園地回ろうよ」


そしたら炎山なんかじゃなくて俺のこと好きにさせて見せるから


「ふざけないで!!私は誰も好きになんかならないわ!」

「嘘つき」

「へ…」

「じゃあ何で炎山の前ではあんなにころころ表情が変わるわけ嬉しそうな顔するわけ?」

「わ、私、別に嬉しそうな顔なんか!」

「してたよ。」


悔しそうな表情の熱斗からウソなんかじゃないことがひしひし伝わってきて、無意識に頬に熱が集まる。

「今だって俺のことじゃなくて炎山のこと考えてる。」

「熱斗…?」

「なまえ俺のタイプなのに…タイミングってやっぱり大事だよなー。」


ネットバトルなら
得意なんだけど
恋はそううまく行かないか…。


な、ななな…


「何言ってるの!?熱斗!!」

「何…って、なまえ顔真っ赤!」

「しょ、しょうがないじゃない!こんなこと言われないもの!」

「へ…。」

「な、なに?」

「カワイイって言われるだろ!?」

「言われるわよ!だけど…」


伊集院とか…熱斗…貴方みたいに私のありのままの性格ごと受け入れてくれる人初めてなの。


悲しそうに視線を落としたなまえの頭を乱暴に撫でる熱斗


「ちょ、ちょっとぉ!」

「俺、駄目だな炎山みたいになまえのこと楽しくできないや。」

「え??」

「すごく楽しそうだったよ、炎山といたとき」

「熱斗…私…。」

「いいんだ、一目惚れは叶わないって言うしさ。」

「なんか…ごめんなさい。」

「なまえは悪くないよ。」


ふわり、おでこに栗色のやわらかい髪の毛がかかる。視線と視線がぶつかる。


「幸せになアジーナ国の王女なまえ。」

「へ、」

瞬間
完熟した林檎に負けないくらいに頬を真っ赤に染めたなまえ。



「わ、私のこと知って…」

「ロックマンが教えてくれたんだ。」


「駄目?だったかな…」苦笑いしてなまえに呼びかけるロックマンにツーと一筋の涙を流したなまえ。


「ご、ごめん!なまえちゃんそんなに嫌だったかな??」

「ち、違うの!私、嬉しくて」

「なまえ…落ち着けよ。」

「ありがとう…熱斗」

「おう!」

「私、王女だから…今までずっと特別扱いされてきた。私が王女ってこと伏せて近づいても直ぐにバレて、バレた瞬間なまえって呼び方がなまえさまに変わってた。」


でもアナタたちは違う
みんな、みんな
私のこと「アジーナ国の王女」じゃなくて
「なまえ」として扱ってくれる。
伊集院もやいとも熱斗…アナタも。


「私、アナタたちに逢えて良かった…素敵な体験ができ…」


ぎゅっと
熱斗に抱きしめられる
お日さまみたいなあったかい香りにシャンプーのにおい。
突然のことに照れるよりも困惑してしまう。


「…熱斗?」

「だったら、ずっとここにいれば良いよ。」

「え?」

「そんな悲しい想いするくらいならニホンにずっといればいい」

「熱斗…へーきよ、私、アナタたちに逢えただけでも満足。それにアジーナの王女としてその職を全うしなくちゃ。」

「なまえ…。」


フワフワと柔らかい栗毛をポンポンと撫でる。


「なまえ!」

「…炎山……。」

「伊集院!?」

「随分…探したぞ。」

「…ごめんなさい。」

「はあ…今回ばかりは炎山に勝てないなロックマン。」

「そうだね、だけどなまえちゃんが炎山くんに対して愛想が無くなっちゃえば熱斗くんのものだね!」

「な、なに…」


何いってるのロックマン!?と続くはずだったなまえの言葉は炎山によって遮られる。


「なまえは将来、伊集院の姓を名乗る女性だ。光になる予定などこれから先一生ない。」

「へえー…言ってくれるじゃん卵王子」

「ちょ、ちょっと!私を置いて話を進めないで!と言うか私は誰も好きなんかじゃないんだから!」

「なまえ…」

「自分の気持ちには素直になろうぜ?」



にこり、と笑った熱斗が怖かったのはきっと気のせい…うん、気のせいだわ。

*まえつぎ#

あきゅろす。
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