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veryshort
陣明薫*
「陣明くん…ね、気に入らない。」

「……」

「男の子も女の子もいつだってみんなの中心にいるのは私…なのに…なんで…ね、びっくりした?」


びっくり…した
さっきまでニコニコと楽しそうに笑っていた…のに。
今はこんなにも冷たい声音


「えへへーお顔に出てるよ。」


つんつんと顔をつつかれる。
表情が強ばるのが自分でわかる。


「うーん…ね、大鳥くんの言ったことわかるなー。なんで貴方みたいな無愛想な人…。私の方が絶対カワイイのに。」

「知るか…。」


ふい、と顔を背ければ


「ね、なんで?」

「(近い…。)」

「でも、なんてゆーの??ツンデレ?笑ったところ見てみたいかも。」

「……。」

「えへへ…だから…貴方の傍にいるね。」

「メイワクだ。」

「メーワク??じゃ、もっとメーワクなことしてあげよっか?」


耳元で囁かれて
全身が痺れたように
ジリジリする。
心臓がどくどくと波打ってみょうじの視線から目が逸らせない。


「陣明くんの色んな表情…興味あるな。」


挑戦的な表情でニヤリと笑ったみょうじ
やられっぱなしなのは正直情けない…から。


肩を掴んで机に押し倒す。
そうすればみょうじのあの余裕そうな表情が一瞬だけ強ばった。


「何の冗談??面白くないよ。」

「そうか、俺は結構楽しい。」

「離して。」

「俺に興味あるんだろ?」

「あるっちゃ…あるけど…これは別の話。」

「声、震えてるぞ。」

「うるさい…陣明くん生意気、肩痛いから離して。」


言われたままに肩を離して起き上がらせてやればまたあの強気な目
面白いやつ


「なに笑ってるの?」


怪しそうな表情を向けられる。
どうやら無意識に顔に出ていたらしい。


嗚呼、俺は…



「いや、俺もお前に興味ができたよ。色んな意味でな。」


無意識に近づきたいと思ってる。

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あきゅろす。
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