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veryshort
久原遼
聡くんが持ってきた
資料の中の名前を見てから
ずっとずっと気になってた。
『久原遼』その人が今目の前で舞うようにサッカーをする。


完璧なフォーム
正確なパス


晴輝くんたちとは違う
熱い中に静かな何かを秘めたプレー

目が釘付けになって気づいたらその人のことだけ目で追いかけていた。


しっかりして!
みょうじななし!

私は御崎FCのマネージャーとして応援しなくちゃいけない。
そんなことわかっているのに

なんでどうして…何がどうなって


「麗しのななしさーん。」


阿久井くんの前髪を掴んでたっていたのは久原くん本人だった。


目が合うと
「…ごめん、優が言うこと聞かなくて」
って、何故か謝罪の言葉。


私は彼に会えて嬉しい…んだけどな。


「な、なんということだ!」

「へ?」

「ななしさんが少しも目を合わせてくれない…それどころか…遼しか見ていない!」

「…ふーん。」

「えっ、あ、あの…!」


な、なんだろ!
どうして私、慌ててるの!?
久原くんに見られてうまく喋れない…どころか…一言も話せないよ!!


「優の気に入る子も捨てたもんじゃないね。」

「そうだろーそうだろー!?」

「鼻息荒い…気持ち悪いよ。あ、そうだ…勝つのは僕たちセボーラ…って御崎FCの奴らに伝言頼める??それと、」



あんなに見られてちゃ集中出来ない…。


ほんのりと頬を薄く染めてそっぽを向いた久原くん…っていま何て!?


見てるの気づかれてた!


そう思ったら
体温が上昇して
頬に熱が集まった。



(どうせならウチに来ちゃえば良いのに…。)(なんか言ったか??)(こっちのハナシ。)



だって見てたのは
僕だったから。
恋が始まる…そんな気がした。


一目見たときからね。

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あきゅろす。
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