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3-5

「はい、春兄これチェック終わったー」
「ありがとう、島」
「しぃーま!こっち手伝えー!」
「いや、夏兄のもやってるから!手伝ってるから!」

僕等三人は、現在生徒会室にて書類整理中です。

最初は風紀員室にいくか、生徒会室にいくかでちょっと揉めたんだけどね。
春兄は生徒会室に行きたがるし、夏兄は風紀員室に行きたがるし。
変なとこ、気があわないんだよなぁ〜、いつも。
普段は流石一卵性の双児なだけあって、会話もせずに意志の疎通とかやってのけたりするんだけどね。
たまーに、あわなくなるときがあるんだよ。たまーに。
どっちも何だかんだ我が強いから、そういうときは絶対お互い譲らないんだ。
だからどうしたって、僕が色々折衷しなきゃいけないわけで・・・。
僕の折衷好きはここから来てんのかなぁ・・・。

「しぃーまー」
「ハイハイ、これ、終わり!次は!」

誤字のチェックが終わって、あとは委員長の印だけが必要な書類を、だらだらと机に懐いている夏兄の顔面に叩きつける。
そしてそのまま、夏兄の目の前につまれている書類を手にとって春兄にふりかえる。

「春兄ぃー。これもやるの?」
「ん?・・・うん、これも必要だね。」

春兄に書類を見せると、柔らかい笑顔で頷かれる。

結局、なんで生徒会室での作業になったかといえば。
何をかくそう、風紀委員長である夏兄が仕事をさぼり過ぎて、本来夏兄が片づけなければならない書類が、生徒会室にたまっていたからだ。
風紀が持っていかないがために、生徒会室に溜められた書類の束が、僕等を歓迎してくれたぜ。いやっほー。
仕事しろコノヤロウ。

夏兄のサボり癖は、相変わらずらしい。

夏兄はそのカリスマ性からか、色んな組織でまとめ役になることが非常に多い。
頭も悪くない(むしろめっちゃイイ)し、指導力もあるし、運動神経も抜群なんだけど。
取りあえず、コツコツしたことが大嫌い。
っていうか、苦手なのか。
なので、こういう事務的な部分のフォローは、いっつも僕と春兄がしてたから慣れっこなんだよね。


今、生徒会室には、僕たち以外誰もいない。
今日生徒会は、会長に用があってお休みなんだってさ。
春兄は自主的に、溜まった仕事を片付けてると。
オツカレサマデス。
風紀は普通業務なので、風紀員室には副委員長とかもいるらしく。
夏兄シゴトシナサイ。

まだ僕らの関係をなるべく知られたくないっていう兄ちゃんズの提案もあり、そんなこんなで誰もいないこっちに来たってワケです。

僕はとった書類に眼を通して、眉をしかめた。

「っていうか・・・これ、ぼくが文章作成やっていいの」
「島なら平気だよ」
「つか、島の方が安心だ」

そういう問題じゃないぞ。
だってこれ、他校とやりとりする書類だぞ。
しかも、なんか微妙な提案案件だぞ。

「こういうのって、さぁ・・・」
「うんその案件の場合は、受けいれたように見せて、受け入れてないようにも読み取れる文にしてね」

僕は戦国時代の文官か!!
要求のレベルが高すぎるだろ!


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あきゅろす。
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