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とあるおとぎ話の片隅で
花が恋でもしようかと
いばらの姫へと押しかけた
「恋や愛など甘いのか
ならばどれほど甘いのか」
呆れたいばらはかく語る
「あなた無知なの馬鹿かしら
あれほど苦いもそう無いわ」
糸がほつれた交えたと
騒ぎの中身はからっぽで
恥知らずのいばらさえ
枯らした涙はトゲの数
ふくれるつぼみの花君は
「ならばどれほど苦いのか」
萌え木の小枝、揺すれども
落ちない葉っぱは揺れるだけ
いばらに答えはありません
「ならばならば、」と花は言う
「恋や愛など苦いなら
想う心も苦いのか」
「あれは甘いのしょっぱいの
たまに苦くてしょっぱいの」
いまだ咲かない花の君
いまだつぼみの花君に
「あなた無知なの馬鹿なのね」
いばらの姫君かく語る
*♯
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