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上澄みに誘い水
終電―――
半ば閉じられたブラインドの中で
魚のしみが一匹
突き出た下あごをひくつかせ
流れる光を喰んでいた
進行方向を逆流した街灯りは
アイツの背中で見たテールランプみたい
安っぽい、人探しのサーチライト
月はとても明る過ぎて
街灯りを照り返す蛍光色の半欠けが
そのまま流れる光に混じり
喰む魚の口に入る(いる)それ
月の上澄みを飲み込んでいるようで
青白い右手を鳥に見立て
そのまま食べてしまいたくなった
*
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