Main
キンモクセイ
金木犀の匂いが朝のひさしに溢れて
午後と錯覚しそうな
晴れ過ぎた青空
少し焦りぎみに登るホームの階段
反射するデジタル盤が私の標
流れる人交わらない波
けれど、変わらない空気の味
何度か繰り返して
何度も見過ごして
いつもが日常で
日常が更新で
いつの間にか無くなったお店
陽が隠れた大きな看板
赤茶けた鉄パイプが続くよ
昼より明るい夜に会った
少しなつかしいクラスメート
誰だったっけ、なんて言ったけど
覚えてるよ
思い出したよあの道で
違うけれど同じにおい
ひさしの中に差し込む、金色の匂い
晴れ過ぎた空の下で
雲一つないクリア・ブルー
降りそよぐ、金木犀
*♯
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!