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親指姫
ねぇ、愛しい君。
たとえ君が望まないとしても、僕は君に手を伸ばさずにはいられなかったんだ。
別に恋仲になりたかったわけじゃなかったんだよ?
君は信じられないかもしれないけれど、僕はただ君と話してみたかったんだ。
あの夜、君を窓辺で見かけたときから、ずっと。
君はどんな声をしてるのかな、どんな言葉を話すのかな?
なんだかドキドキして、あぁ、これが恋ってやつかな。柄にもなく照れてしまって、暫くは眠れなかったな。
だから、思いきって声をかけてみたんだ。
お友達になりましょうって。
君の心には触れられなくても、傍に居させてほしかったから。
君は許してはくれなかったけどね。
うん、君は確かに僕を受け入れてくれたよ。けれど君の周りはキラキラしていて、どれだけ虚勢を張ってみても、つりあわなかった。
自分から駆け寄ったのにも関わらず、僕は自分で諦めてしまったんだ。
ねぇ、愛しい君。
君を傷つけてごめんなさい。
こんなコトしかできない自分は、なんて弱いんだろうか。
何度謝ったって遅すぎることだけれど、せめて、今だけは僕を見てください。
僕だけを見てください。
どんな色の瞳でも、それだけで僕は救われるんです。
どうか、あなたが幸せでありますように
<あとがき>
今回はちょっと文章っぽく書いてみました
「親指姫」にでてくるカエルのお話
*♯
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