黒バス
カントク2
「あの、先輩……?」
何言ってんの、この人。
「だから、シャツ脱いで。」
・・・・・。
「はぁっ!!??」
冗談じゃない。なんで部活来て最初にやるのがアップじゃなくて女性の前で脱衣なんだ。
「あ〜…。大丈夫だよ、ちょっとお前の数値見るだけだから。」
眼鏡の先輩らしき人が苦笑いで話してきた。…数値?
「そう、白栖君の身体能力を視たいの。服の上からじゃ的確に視れないのよ。」
「………他意はありませんね?」
「ないわよ!!ほら、さっさとシャツ脱いで!部活始めらんないわよ!…あ、みんなは柔軟しておいて。日向君、指示出しておいて。」
しかたなくシャツの裾に手をかけた俺。身体能力って…数値って…。
「脱いだわね、そのままじっとしてて…………っ!!」
俺を凝視していた先輩はカッと目を見開くとそっと俺を見てきた。
「………あなた、ホントにキセキの世代の足下にもおよばなかったの?」
「……そうですよ。試合では万年ベンチでした。」
「…ふぅん。ま、とりあえずはそういうことにしといてあげる。」
この人、思ったより鋭いかも…。
「あ、自己紹介がまだだったわね。男子バスケ部カントク、相田リコです。よろしく!」
「……カントク?」
マネージャーじゃなかったんだ。
「さあっ!練習始めるわよ!!白栖君も見るだけだけど一応いてね。」
俺はベンチに座り、部活を見学することにした。
……怪我、早く治れよー。
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