黒バス
幻の6人目3
「落ち着いてください。」
一年達からこぼれた弱音に思わずつかみかかった火神は、不意打ちの膝カックンで額に青筋を浮かべた
「(テツヤ、変わんないなー・・・)」
ガヤガヤともめ始めた一年達を
なんかモメてんぞ
黒子か、そういやいたな
なんて口々に言い合っている
審判をしているカントクも途中から忘れていたようで、百面相を始めている
「(絶好調じゃん、テツヤ。)」
まぁ、俺はもちろん最初からテツヤのことは視認できているわけで、これから起こることにすごくワクワクしている。
「何か、感じましたかカントク?」
「白栖君?」
「何か、とんでもないことが・・・とか、違和感?ていうんですかね。・・・ほらテツヤがんばれ!あと3分!!」
「(確かに、違和感はなんとなく感じるけど・・・・)白栖君、それって・・・」
バスッ
一瞬の間に一年の手に渡ったボールは、あっけなくリングをくぐった。
数秒、皆の思考が停止した後
「入っ・・・えぇ!?今どうやってパス通った!?」
「わっかんねぇ見逃した!!」
コートは驚愕の色で一杯になった。
皆口々に先ほどの現象に対して言い合っている。
もちろん、審判をいているカントクは目をパチパチさせてる
「まあ、これからですよ。テツヤの能力は。」
すごく、交ざりたい。
バスケやりてぇ・・・・。
次々に繰り出されるパスにギャラリーは全力で疑問符を飛ばしてる。
「・・・・・・!(存在感のなさを利用してパスの中継役に!?しかもボールに触ってる時間が極端に短い!!)」
気付けばカントクは冷や汗をかきはじめている。
気づいたか・・・・・。
「ミスディレクション」
「?」
「手品とかに使われてる、人の意識を誘導するテクニックです。」
ミスディレクションを用いて、彼は自分ではなく、ボールや他のプレイヤーとかに意識を誘導する。
彼は試合中、自分以外を見るように仕向けている。
「元帝光中のレギュラーで、パス回しに特化した見かない選手、キセキの世代幻の6人目・・・それが黒子テツヤです。」
「(噂は知ってたけど実在するなんて・・・・!!)
」
気づけば、試合は一点差にまで縮まっていた
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