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「……ごめんな」

聞こえたのは夕凪の少し掠れた声。

「俺のせいだ……」
「どうしてレディが謝るの? これは…」
「だって……」

夕凪は俯いてしまう。

「かむいが、我がまま言ったんだろ?」
「そんなこと…」
「ゴメン! でも一番悪いのは俺なんだ。かむいが弟みたいに可愛いから甘やかして、嫌われたくないから強く言えなくて……だから、きっとリオンにも我がまま言って……」

小さく肩を震わせる夕凪が愛しくて、まだ湿ったその髪の毛をリオンは優しく撫でてやった。

「かむいはね、本当は兄貴みたいなのが増えて嬉しいだけなんだ。だから我がまま言ったり甘えたりして……。あんたのこと嫌いな訳じゃないんだよ。だから……」

今にも零れてしまいそうな瞳を揺らして見上げる夕凪に、リオンはやんわりと唇を重ねた。

「わかってるよ。僕は全然気にしていないし、レディが気にすることなんかでもない。僕もかむい君のことが大好きだから、……だからレディ…そんな顔しないで?」

頬を桜色に染めながら、夕凪は驚いた瞳でリオンを見ていた。

「……、うん」

ゆっくりと頷き、再び視線を上げる。

「………言いたいことはわかったけど、なんでキスしたの?」

夕凪の瞳に俄かに宿ったのは、軽蔑の色―――…‥
だが、リオンはにっこりと笑って夕凪の頬を撫でた。

「レディが愛しいからに決まってるじゃない」
「お前…ッ、恥ずかしくないの? そういうこと言ってて…」
「恥ずかしいことなんてないよ。僕がレディを愛しているのは、誰にも変えられない真実なんだから!」
「だからァ俺はオトコなんだってば!」
「関係ないよ…」

うぅ…。
世界中の同性愛者を否定する気は全くないが、

「関係ある!! 俺はヤなのッ!!!」

そうキッパリと言い放った。
だが、夕凪の抵抗をものともせず既にしっかりと腰に回されてしまったリオンの腕をどうしても振り解くことができない。遂には、

「男も女も関係ないってこと、今から証明してあげるよ。もちろん、実演でね」

夕凪の軽い体は文字通り軽々と持ち上げられ、簡単にベッドに組み敷かれてしまった。

「やッ……何す…ン」
「痛くしないから…ネ?」

にこー、っと満面の笑みが夕凪の顔を覗き込む。



「冗談はヤメロよ…」


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あきゅろす。
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