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すれ違い


「……えっと、その……ルル?」


俺は今、間接照明に照らされたベッドに仰向けになってルルを見上げている。


…そう、見上げているのだ。


長期休みを利用したちょっとした旅行の夜。今日の感想などを話しているうちに夜も遅くなって、俺がそろそろ眠ろうか、とベッドに座りこんだ時だった。

なぜかいきなりルルは怒ったように俺の胸に飛び込んできて、そのまま俺の腹の上に座りこんだのだ。


「…ユリウスは私のこと、好き?」


「うん、好きだよ。すごく好きだ」


ルルの問いに即答した俺になぜか彼女が頬を染める。
ここには二人しかいないのにどうして恥ずかしがるのだろう。…そんなルルもすごくかわいいけど。


「じゃあ、ドキドキしてる?」


「ドキドキ?…いや?」


どうしてルルはそんなことを聞くんだろう。今の俺はドキドキするような切羽詰まった、危機迫った状況では間違いなくない。

むしろすぐそばにルルがいる状況がうれしくてどうしようもないのに。ふにふにと柔らかい彼女の身体に俺が惹かれているのが、ルルはわからないのだろう。


「もういいっ!!…二人で過ごせる夜にドキドキしてたのは私だけだったのね。おやすみなさい、ユリウス」


「待って、ルル」


ルルはその蜂蜜色の瞳を潤ませて、俺の上から降りようとしたが、体を起こそうとした俺のせいでバランスを崩して俺の胸にすっぽりと落ちてきた。

そんな状態でルルはその瞳で俺の瞳を上目遣いで見つめてくる。

その表情に俺はギュッとルルを抱きしめて、今度は逆に押し倒していた。


「…ユ、ユリウス?」


「ごめん、ルル。ルルが何を言いたいのか俺にはよくわからない。ドキドキもたぶんしてないんだけど、俺はルルのこと好きだし、愛してるし、抱きたいって思ってるんだけど」


「あ…あの、えっと………うん、私も」


俺の言葉にルルは今度もやっぱり恥ずかしそうに横を向いて、俺の視線から逃げた。

…というか、勢いに任せて余計なことまで口に出してしまった気がする。


「……ル…ル?」


俺の頭が時間差でルルのセリフを理解する。

私もっていうのは、いったい何に対してなのだろうか。


「…ユリウス……」


俺の名前を呼ぶルルの声が聞いたことないくらい甘くて、俺は気づけば唇を奪っていた。


「…ん…ふぁ……」


絡み合う舌と、もれる甘い吐息に…今までよりもっと、ずっとルルが欲しくなる。

ルルを傷つけないように、はやる気持ちを抑えあらわにした肌に手を触れる。


「ん…ぁ、ぅん…」


柔らかなふくらみを手で包みこむと、ルルはためらいがちに吐息をもらす。その声は俺の愛撫にこたえるように徐々に甘みを帯びていく。


「あっ!!…ぁん……ぁ…」


「好きだよ、好きだ…ルル…」


下腹部に触れるようとするのを恥ずかしがって拒むルルに、俺は衝動につき動かれるまま強引にルルの身体を開いていく。


「ん、ゃ…見ないで…」


「だめ、全部俺だけに見せて…」


誰にも触れられたことのないそこを、ゆっくりと確実に溶かしていく。くちゅくちゅという濡れた音と、ルルの漏らす嬌声がどんどんと俺の理性を奪っていった。


「ルル…痛かったらごめん、やさしくするから…」


「あっ…んぁ、う…ん、ユリウス…」


ルルが頷いたのを確認して俺は指の代わりに自身を挿入した。


「んぁっ!!はぁ…っふぁ…」


「…っ、ルル……ごめんっ!!」


「えっ…あんっ!!ふぁ…ぁ、んんっ…ユリ、ウス…」


強い締め付けを感じて俺は本能のままルルの中をかき乱していた。




どきどきは胸の中心に

 

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