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朝まで一緒に

「最近、ずいぶんと忙しいみてーだな?」


「なっ…ど、どうしたのラギ?なにか怒ってる?」


授業をさぼって待ち伏せをして、やっとひさしぶりに会えた「恋人」を有無を言わせず俺は人気のない教室へと連れ込んだ。

この間の週末から避けられているのはわかっていたが、さすがに1週間も続くとは思ってもいなった。いつも一緒に帰っていたのに、なんだかんだと理由をつけて先に帰ってしまうし、寮でも俺と時間をずらして食堂に行き、後は部屋から出てこない。

…そんな態度に俺がイラつくのは正当だろう。しかし、こいつときたらどうして俺が怒っているかわからないらしく、相変わらず視線を泳がせて俺を見ようとしない。


「どうしてだと思う?…ちゃんと俺を見ろよ、ルル」


「えっと、その…ラギ?ちょっと近過ぎない?」


逃げないようにと壁際に立たせて上から見下ろす。その体勢が不満らしいが、俺は逃がしてやる気はない。


「…あのな、誤解してるみてーだけどな。その…朝まで付き合ってやる、つったのに深い意味はねーからな!!」


あれからルルが何を言いたかったかは理解した。…確かに俺だって寮の鏡に消えるお前の背中を見る時に悲しくなる。

でもな、あのセリフはただお前を黙らせるために言っただけなんだよ!!


「ふっ深い意味って…そうだったの!?」


「それなのに毎日毎日、わかりやすく俺を避けやがって…なぁ、俺と…その、そういう関係になるのは嫌か?」


避けられていた理由――それが恥ずかしさからならいい。

でも…あのセリフで俺と抱きあう事が嫌だって思ったせいだったら。

そんな考えがこの1週間、俺を支配していた。


「ラ…ラギ?なんか変だよ?いつものラギらしくない」


「…俺だって、好きな女に避けられたら不安にもなるさ」


つい口を出たそんなセリフ。俺が思っていたよりもずっと、ルルに避けられた事は俺を弱気にしていたようだ。

そんな俺にやっとルルも気付いたらしく、あわあわと焦って言った。


「ごめんなさいっ!!その、ラギの事が嫌で避けてたんじゃなくて…ただビックリしちゃっただけなの!!ラギの事は大好きだから…」


一生懸命に伝えてくるルルに我慢できなくて、その小さな柔らかい身体をぎゅっときつく抱き締めた。


「ラギが好き。大好き……ぅんんっ!!」


俺の背にルルが腕をまわして囁いた言葉が…



俺の理性を奪い去った



「んっ、ん…ぅ、ラ…ギっ!!」


ぐいっと上を向かせて食らいついた。無防備な唇を開かせて、ルルに構わず今までしていたものとは違う深いキスをする。


「嫌ならちゃんと抵抗しろ…でねーと、抱くぞ」


深いキスに息を乱しているルルは俺のセリフに怯えたように目をそらせた…が、背にまわされた腕はぎゅうっとより強くなる。


「…馬鹿だな、もう逃がさねーぜ?」









俺は今まで押さえていた本能のまま、ルルを抱いた。机に座らせ、四肢の隅々まで味わい…あいつの出す甘ったるい声に興奮して激しく腰を打ち付け、果てた。






「…はぁ、ちょっとは自制しろよ、俺…」


窓の外は真っ暗。そろそろ寮に戻らないとまずいだろう。

ルルは気を失ってしまい、長机の上でマントが掛かっただけの姿で眠っている。


「…ま、門限くらいたまにはいいか」


俺は後の面倒なことは放り出し、安らかな寝顔を眺めることにした。










朝まで一緒に


 

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あきゅろす。
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