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それ以上の感情
 
気に入らない。

あいつがどう思っているのか知らないが、ルルは俺の所有物だ。



夕食を終え談話室に向かうと、入る前からあいつの声が聞こえてきた。

どうやらいつものメンバーが揃っているようだ。


「でね、ラギったら…」

「う、うるせー!!」


入ってみると案の定、エスト君以外に囲まれてルルはソファーに座っていた。

話の内容には興味ないが、密着して座っているのをいいことに自然を装って殿下がルルの肩に手を回していることや、ふにゃっと笑った顔にノエル君が見とれているのは気に入らない。


「あっ!!アルバロ…」


すると視線に気づいたのか、ルルはこっちを向いて俺を視界に捉え…

顔から笑顔を消して、気まずそうに俺を呼んだ。

その声に反応して俺を見た男どもは、皆いい顔をしていない。


「探したよ、ルルちゃん。ちょっと俺と来てくれないかな」


そんな奴らは無視して、俺は笑顔でルルに話しかけた。

好きだ好きだと言いながら顔を曇らせるとか、気に入らないにも程がある。


「う、うん…わかった…」

「アルバロ、ルルは今、私タチと話をしていマス。また後にして下サイ」


ルルの恋人である俺が来たにも関わらず、殿下は腕を引っ込めずにルルがソファーから立つのを引き留めた。


「そうだね、急ぎの用事じゃないならまたにして欲しいかな」

「野暮なこと言うね、ユリウス君。恋人同士の用事はタイミングが大事なんだよ?キスをするにもその先に進むのも…」

「アルバロっ!!私、一緒に行くから!!」


俺の言葉に頬を染め、女の顔をして自らの意思で立ち上がったルルは既に俺の掌の上。

誰にも何も言わせない。


「ん…?何か期待してるのかな、顔があかいよ?」

「違っ…もうっ、行くわよ!!」


わざと殿下達に見せつけるように耳元で囁くと、焦ったルルは俺の手を握って引っ張って行った。



談話室を出たルルが向かったのは人気のない渡り廊下。

ここなら大きな声を出しても聞く人はいないだろう。


「いくら恋人同士だからって皆の前で変な事言わないで!!」

「きゃんきゃん騒ぐな。お前こそ恋人の前で堂々と浮気とは随分図太くなったな」

「浮気なんて……きゃぁっ!!」

「気に入らないんだよ、他の男にさわらせてるのも、俺を見て表情を変えるのもなっ……!!」


怒るルルを壁に押し付けて、殿下が触れていた首から肩にかけて舌を這わせる。


「ぁん…アルバロ、やめてっ!!」

「お前が暴れなければすぐに済ませてやる」

「こんな、ところじゃ…ゃんっ」


屋外で、しかも立ったままでの行為にルルはかすかに戸惑ったが、それは拒絶ではない。

俺はそのままルルの服の裾から手を差し入れ、柔らかな膨らみを無遠慮に掴んだ。


「い、たいよ…どうして怒ってるの?」

「怒ってる?気に入らないだけだ」

「ん、ぁう…それって…やきもち、だよね?」


思ってもみなかったルルのセリフに俺は首を噛むのを止めて、潤み始めた瞳をのぞきこんだ。


「違うな、お前の態度が気に入らないんだ。俺より他のやつといた方がいいのか?」

「だから、それをやきもちって…あぁんっ!!」

「…無駄なことを言うな」


これ以上意味のわからないことを聞きたくなくて、とろりとした中へ何の準備もなしに自身を押し込むと、慣れてきたとはいえルルは大きく息を吸って俺にしがみついてきた。


「…動くぞ」

「あ、はぁん、ん…んぁ、アルバロ…っ」


酷く抱いているのにルルの声は徐々に甘くなり、俺に全てをゆだねてくる。

そう、これでいい。

俺に抱かれることに慣れて、他の男に触れられることも厭うような身体にしてやればいい。








この感情はやきもちなんてかわいらしものじゃない

 


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あきゅろす。
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