雪のいたずら
「あれ…ユリウス!!雪…初雪だよ!!」
ユリウスと暮らし始めて初めての冬。いつものように一緒に買い物をして帰る途中で雪が降り出した。
「ちょっと寒いけど、ゆっくりかえろ?せっかくこんなにきれいなんだもん」
「うん、いいよ」
ちらちらとふる雪がすごくきれいだったから、そう言うとユリウスはすごく優しい顔をして私に微笑んでくれる。
「うーん!!本当にきれい。ふわふわって降りてくるのが天使の羽みたいね……ん、つめたっ!!」
ユリウスが手をつないでいるのをいいことに、私が上をむくと頬に雪が落ちてきた。
「くすっ…なんだかルルが子供みたいだ」
「そんなことないもん…きゃっ…」
反抗しようとしたとき、今度は唇に大きな綿雪がひっついた。
「くすくす、冷たいけど、なんだかふわふわしてる…っ、ぅん…」
触れたとたんに消えてしまう儚さが名残惜しくて唇に指をあてると、ユリウスが急にその手をつかみ、代わりに自らの唇で私の口をふさいだ。
「ん、はぁ…な、なに?急にこんなところで…」
深い口づけに訳が分からずユリウスを見るとその顔はなんだか、不機嫌…というかすねている。
「…ルルは雪にまで好かれるんだね。俺はルルが嫌がると思ってキスするの我慢してたんだよ?なのに…」
「ちょ…ちょっとまってユリウス!!…もしかして、雪に妬いてるの?」
「…うん、自分でも馬鹿だって思うけど、いやだ。うん、早く帰ろう、寒いし」
ユリウスの言葉に照れて顔を真っ赤にしている私の手を握りなおしてユリウスは早足に歩き出した。
「…きゃっ!!ちょっとユリウ、んんっ!!」
家に帰り着くと、ユリウスはつないだ手を離すことなくそのまま寝室へと向かい、私をベッドに押し倒した。
「ふっ…んん、はぁ……んゃ!!ユリウス、手…冷たいよ」
先ほどと比べ物にならないくらいのキスに冷えた身体が熱くなったが、服の脇から侵入してきたユリウスの手はすごく冷たくて、身体がびくりと反応する。
「ごめん、でも我慢して…今すぐルルを感じたい」
そういって性急に私の服を乱し、気遣っているのか今度は唇で下腹部に口づけ熱い舌を這わせる。
「ふぁ……ん、ぁ…」
ユリウスはちゅくちゅくとその唇を上へと移動させるがなかなか私の欲しい所には触れてくれない。心地よい緩慢な快感がもどかしくて私は身をよじった。
「どうしたの…まだ冷たい?…そんなわけないよね…」
そんな私にユリウスは意地悪に微笑んでちゅっと鎖骨を強く吸った。
「っ!!や…ぁ、ふぁ…」
「ね…どうしてほしいの?俺は馬鹿だからちゃんと言ってくれなきゃわかんないよ?」
「…ぁ、ん…い、えない…」
恥ずかしくて私はユリウスの頭を抱え込むことしかできない。
「…いってよ。ルルの口から聞きたいんだ」
「…ぁんっ、は……ユ、リウス…おねが、い…」
「…ほんと、ルルはかわいすぎ」
どうしても言えなくて涙を浮かべる私にユリウスはとろけるような声で言うと、求めていた刺激を与えてくれた。
「あぁ!!んぁ…はゎ、あぁんっ…」
ちゅっと音を立てて胸の頂をなぶり、もう片方はそっと大きな手で覆われている。…気づけばもう片方の手によって一糸まとわぬ姿の私がいた。不器用なくせにこういうときだけ器用なのが不思議だ。
「・・・ルル、ここ、すごい潤んでる」
「やぁぁ…あん!!ふぁ…ん…」
「いれるよ」
その言葉に応える時間もなく、ユリウスの熱さをナカで感じた。
「きゃ…んんっ…ぁふ、あっ、あ…」
「ルル…好き、大好きだから、俺以外にキスなんてさせないで…!!」
「ん…はぁ、ユリウ、ス…ん、あぁ…!!」
その言葉を最後に私は意識を手放した。
雪のいたずら
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