Side Lulu 眠れぬ夜に寄せて Side Lulu 過去の世界の夜はとっても静か。 虫の声や風が木立を揺らす音も、いつも以上に大きく聞こえてくる。 星が瞬く音まで聞こえてきそうに思える。 ……眠れない。 この静けさにも慣れたのに、一生懸命充実した毎日を過ごしているのに。 それでも、寂しさや悔しさは消えない。 みんなは、この過去の世界へ来てしまったことを私のせいじゃないと言ってくれたけど……そんなわけない。 私のこの全属性魔法が、私たちをここに連れてきたのだから。 …眠らなきゃ、明日も頑張るんだからっ!! 目をつぶってみんなの顔を思い浮かべる。 ――私は一人じゃない。 |