俺の可愛い魔法使い《Julius》
「ねぇねぇ、ユリウス?」
俺の彼女は本当に可愛い、世界一かわいい。
そんな彼女はなぜか今日一日すごく機嫌が良い。今だってにこにこと笑顔を浮かべ、両手を後ろで手を組んで身体を小さく左右に揺らしている。
「ん、どうしたの?ルル?」
あんまりかわいいから俺の頬は緩みっぱなしだ。こういうのをデレデレというのだろうか。
そんな俺の前でルルはえへへ、と照れながら彼女にしかできないだろう、破壊力抜群の魔法を唱えた。
「あのね、一緒にお風呂入ろ?」
…今ルルは何て言ったのだろう。
お風呂?一緒に?
うん、確かにそう言った。
…誰と?"誰と"一緒に入るのだろう。
当然だけどここには俺とルルしかいないんだから俺に一緒にお風呂に入ろうと言っているのだろうか。
いや、情況的にはどう考えてもルルは俺に「一緒にお風呂」と言ったんだ。
つまりルルは俺と一緒にお風呂に入りたいのだろう。
「ユリウス?」
ルルの魔法の効果はてきめんで俺がパニックになっていると、ルルは心配そうに俺の顔をのぞきこんできた。
「ご…ごめん、嫌かな?」
「ううん!!全然嫌なんて思ってないよ。むしろ動揺して何も言えなくなるくらいうれしいっていうか、今まで明るいところでルルが見せてくれたことないからすごく楽しみで」「ユ…ユリウス!!」
そう、頬を染めて俺の口にその小さな手のひらをあてる彼女はいつもならこんな積極的ではないのだ。
俺はその手のひらをそっとはずしてキスをしてから、羽のように軽い彼女を抱きあげた。
腕の中で真っ赤になっているルルに今から俺がのぼせてしまいそうになりながら。
僕の可愛い魔法使い
「ね、ユリウス。ばんざーい、して?私が脱がせてあげたいな?」
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