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長い夢
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「10分休憩!水分補給しっかりねー」

「「「はいっ!」」」


彩芽の指示を受けて大きな声で返事をする一年生達だが、その顔には春とは思えないほどの汗が流れる。


「湊先輩、次は何するんですか?」

「んとね、この後はインターバルやって、それからフットワークよ。時間があればパス練もできるかなー」


練習メニューを記したバインダーに目を通しながら答えると、周りからは悲鳴にも似た声が上がる。


「また走るんすか!?」

「ランニング終わったばっかなのに…」

「弱音吐かない!走ることはスポーツの基本なんだからね」

「は、はい…」



殺人的メニューにしゅんとうなだれる一年生達を見て彩芽は、ふっと笑みをこぼす。

海常バスケ部では先輩が後輩を育てるのが伝統だ。新入部員はGW合宿までは先輩と分かれて基礎中心のメニューをこなし、その後一軍・二軍に振り分けられる。


合宿までの新入部員の練習は二年生が交代で見る。
そして今年、その総指揮に指名されたのがマネージャーの彩芽だった。

始めはどうなることかと思ったが、今年の一年生は皆素直で一生懸命な子ばかりで張り合いがある。


「私はちょっと一軍の所に行ってくるから、戻ったら練習始めるからね!」


彩芽は周りを見渡してそう言い残すと、一軍の体育館へ向かった。

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あきゅろす。
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