君色恋色
その次の日は会社からお休みをもらった。
一日何をするにも手を付けたくなくて、俊二との思い出のものを全て処分した。
友達の結衣が心配になったのか、あたしの大好きなケーキ屋さんでモンブランを買ってきてくれた。
「きょうは泊まるつもりできたの…よかったかしらさおり??」
結衣の優しさがあたしの心を温めてくれた。
「そうそう…ここねいろいろな悩みとか聞いてくれて、よかったって評判らしいから行ってみたら??」
そう言って差し出された一枚の紙…。
『相談ドロップス』
というお店のチラシみたいなもの。
「まぁ24時間営業しているからあたしたち会社員も気軽に行けるわ…」
あたしも数回お世話になったの♪
なんて言ってたり。
結衣が帰ってあたしも仕事に専念した。
家に帰ったあたしは結衣からもらったチラシを見た。
あなたの抱えた悩み一時の時間でも忘れませんか??
初回コース
1万円
来月から完全会員制となりますのでお早めにお申し出下さい。
また会員料金は初回のみで10万円。会員になれるのは……
あと三日後だった。
興味本意で行ったのだけど、まさかあたしがハマるなんて思いもしなかった。
「いらっしゃいませお嬢様」
一人の老人らしき人物がカウンターにいた。
用件を述べると一つの部屋の鍵を渡された。
「……??」
「その鍵に書いてあるナンバーの部屋に相談に乗ってくれる奴がいるから」
そう言われた。
とりあえず奥まで数ヶ所の部屋があった。
あたしの指定された部屋は1番奥だった。
………カチャ
「ようこそ」
部屋にいた人はとても顔が整った人だった。
「俺は隼人…よかったらここで話しませんか??」
「はい…あたしの名前はさおりって言います」
この人だと自然と話すことができた。
もう大丈夫だよと言われて抱きしめられた。
「………///」
思わずドキッとしてしまった。
それに顔が近く………
そう思った時にはキスをされていた。だんだん深くあたしに入り込もうとする…。
「んっ……ふぅっ―――///」
何分たったのか分からなかったが軽く5分はキスをしていた。
………何してるんだろう。
振られて哀しいのに……。
ぺろっとあたしのか隼人のか分からない唾液を舐めていた。
「痛みは快感の代価だよ…。今夜だけでも奴のことは忘れて甘く酔いしればいい」
そう言ってソファーの上にあたしは倒れ込んだ。
その上に隼人は乗ってくる。
サラリとした髪…。
あたしの鎖骨を吸ってくる…。
「…………んっ」
「もっと感じろよ」
低いトーンであたしの耳元で呟く。
[*前へ][次へ#]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!